オリジナルスピーカーセレクターを作成してみよう!!

自作衝動

以前、スピーカーセレクターのキットを作成したネタをアップしたが、もう一つ必要になったので自作してみることにした。

前回のキットは入力2系統・出力3系統とかなり豪華な仕様だったが、今回の仕様は以下のとおり。

  • 入力1系統・出力2系統とシンプルなタイプ
  • ロータリースイッチとか面倒なものは使わず、トグルスイッチを使う
  • スピーカー端子はネジ止め端子ではなく、普通のプッシュタイプの端子を使う
  • トグルスイッチはケースの裏側に取り付けし、表からはスピーカーセレクターと判らないようにする(^^;)

トグルスイッチを使うので、音質的にはロータリースイッチより優れているかも。

ま、ひたすらシンプルに徹したいところだったりする。

セレクター自作の障壁

ところで、スピーカーセレクターの自作で、何が一番面倒かというとやはりケースの加工かも。

ケースの加工のためだけに色々と工具を揃えるのはアレなので、何とかお手軽にできないものかとネットで検索してみたら、いわゆる市販のプリンター切替器とかシリアル切替器のケースを加工するのが楽ちんらしい。

ということで、早速行きつけのハードオフのジャンクコーナーを物色してみたら...非常に使えそうなプリンタ切替器を見つけたのでゲット。

それはセルサス謹製の「CS-PR21」というものであり、セントロニクス36ピン全線結線のタイプ。

セントロニクス36ピンのコネクタのサイズであれば、形状的に4ピンプッシュタイプのスピーカー端子があまり加工をせずに収まるはず。

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どこにでもある感じのプリンタ切替器。

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購入価格は(たったの)300円(^^;)。

部品購入と前準備

まずは、内蔵されているセントロニクス36ピンコネクタ×3個とロータリースイッチを取り外すことから始める。

...これらはネジをはずすだけであっさりと取り外しができた。

しかし、36ピン全線結線のロータリースイッチは、非常に迫力があるかも...なんだかこのロータリースイッチをそのままスピーカーセレクターに使っても大丈夫な感じもしてきた(^^;)。

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36本×3=108本のケーブルが入り乱れる。

入力1系統・出力2系統のスピーカーセレクターを作成するためには、以下のブツが必要になる。

  • 4ピンプッシュタイプのスピーカー端子×3個 → 入力×1個、出力×2個
  • トグルスイッチ → 2回路2接点(いわゆる双極双投=DPDT(Double-Pole Double-Throw))×1個
  • スピーカー端子固定用の(ネジ+ナット)×6組
  • ケース加工用のドリル他 → トグルスイッチ取り付け用の穴開けのため
  • スピーカーケーブル少量+半田付けの工具

スピーカー端子とトグルスイッチは、例によって共立電子のエレショップで購入し、ネジは近所のドイトで購入した。

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スピーカー端子とトグルスイッチ。

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トグルスイッチはブランド品(^^;)で、いわゆる日開製。

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こちらはドイトで購入したネジ+ナット。

加工開始

加工といっても、基本的にはトグルスイッチ取り付け用の穴開けだけだが、その前にレイアウトの確認をしてみる。

...何と、セントロニクス36ピンコネクタを取り外した穴にそのままスピーカー端子が取り付けられる!こりゃラッキーかも。

で、トグルスイッチは入力用のスピーカー端子の横に取り付けることにした。

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無加工でそのままスピーカー端子が取り付けられる!

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トグルスイッチは端子の横に取り付けすることに。

ということで、いよいよ加工のメインであるトグルスイッチ取り付け用の穴開けに取り掛かることに。

このケースはスチール製なので、アルミと違って加工が非常に面倒かも。

当初、穴開けをハンドドリルでやろうかと思ったが、それでは一生穴を開けられないことが明らかなので、文明の利器=電動ドリルのお世話になることにした。

電動ドリルはお値段も性能もピンキリだが、俺様がチョイスしたのはリョービ謹製のドライバドリルキットである「FDD-1010KT」。特徴は以下のとおり。

  • キーレスチャック採用 → チャックハンドルを紛失する恐れがないので便利
  • 20段クラッチ採用 → ネジの大きさに合ったトルクを設定可能
  • 正転・逆転切換
  • すぐ使える先端工具セットが付属

俺様的にはキーレスチャックが一番のポイントかも。

あと、AC電源というのもポイントが高かった。いまどきの電動ドリルのトレンドは充電式だが、俺様はこういう工具はAC電源でなければいけないという思い込みがあるので(^^;)。

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ドライバドリル+先端工具付き。

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やっぱり、充電式ではなくAC電源っしょ。

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14種類の先端工具。反対側にはソケットが格納されている。

このドライバドリルである「FDD-1010KT」にはドリル刃とかの先端工具が付属しているが、何か使うのが勿体ないので(^^;)、鉄工用のドリルセットを別途購入してみた。

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鉄工用ドリル。2mm~6mmの10本セット。

このドリルの鉄工の穴開け可能な最大サイズは5mmということなので、キーレスチャックに5mmのドリルを突っ込んで、ぎゅっと締め付ける。

あとはトルクをドリルモードに切換して、ぐりぐりと穴開けを行なった。予想通りスチールへの穴開けは時間が掛かったが、何とか完了。

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トルクの切換スイッチ。20段階+ドリルモードがある。

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キーレスチャック。取り付けが非常に簡単。

5mmの穴だと当然サイズが小さいので、ここからはリーマに活躍してもらうことに。

下穴にリーマを突っ込んで、ぐりぐりと穴を広げる...きれいに真円の穴開けができないが、材質がスチールということもあり仕方がないかも(言い訳)。

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リーマ+ドライバの組み合わせ。これ最強。

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スチールの穴開けは本当に疲れる。

穴開けの仕上げは、バリ取りだったりする。これまた専用の工具があり、刃を取り付けて穴に突っ込んでくるくると回す...が、あまりきれいにバリが取れなかった...

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バリ取り専用工具。頑張ってくれい。

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この刃を穴に入れてぐるぐると回すとバリが取れる。

...結果、トグルスイッチの取り付け用の穴が(美しくなく)開いた。ついでに周り止めのための穴も上下に開けてトグルスイッチを取り付けしてみたが、ばっちりと固定することができた。

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格好悪いが、ま、こんなもんでしょ。

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強固に固定されたトグルスイッチ。

部品取り付けと配線

めでたくトグルスイッチを取り付けすることができたので、その他の部品を取り付けし、配線することに。

スピーカー端子はネジ+ナットでそのまま固定するだけ。

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固定されたトグルスイッチと、スピーカー端子。

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ケースの裏側。これから配線を行なう。

ここまできたら、あとは配線するだけ。左右・極性を間違えないように慎重に配線するべし。

今回は手抜きで双極双頭のトグルスイッチを使ったので、各スピーカーのプラス端子をトグルスイッチで切換するように配線する。

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配線後の状態。くれぐれも間違えないように。

完成&試聴

ということで、(穴開け以外は)簡単にできた自作スピーカーセレクター...市販品と間違えるような出来(^^;)。

早速試聴してみたが、全く問題なくスピーカーを切換することができた。

音も全く劣化を感じさせない。やっぱりトグルスイッチの方が音質的に良いかも。

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非常にコンパクトにまとまった背面。

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全くプリンタ切替器として違和感のないデザイン(^^;)。

気になる総費用は...

部品名個数単価価格備考
プリンタ切替器
1
300
300円
ハードオフのジャンクを使用
スピーカー端子
3
155
465円
4ピンのプッシュ式端子
トグルスイッチ
1
304
304円
双極双頭。日本開閉器製S-116
ネジ+ナット
6
-
-
ドイト与野店で購入
合計
1,069円

何と、1,000円ちょっとで完成!こりゃコストパフォーマンス高すぎかも。

...お手軽に高性能なスピーカーセレクターを作りたいのであれば、急いでプリンター切替器をゲットせよ!!ということで(^^;)。