オリジナルスピーカーセレクターを作成してみよう!!(その2)
ロータリースイッチの有効活用
以前、プリンタ切替器を流用してスピーカーセレクターを作ったネタをアップしたが、その際に、プリンタ切替器にデフォルトで付いているロータリースイッチを有効活用できないもんかと考えていた俺様。
ロータリースイッチはしょせんロータリースイッチであり、プリンタを切替えるのもスピーカーを切替えるのも同じことではないかと思った俺様だったりする。
しかし、プリンタ切替器に使われているロータリースイッチは本来微弱な信号を扱うものであり、ロータリースイッチの接点の容量がスピーカを駆動する電圧(電流)に耐えられないのではないかという心配がある。
...だが、ラッキーなことにプリンタ切替器のほとんどは全結線タイプであり、全結線タイプということは、プリンタのコネクタ36ピン全てがロータリースイッチにより同時に切替えされたりする。
ということは、接点をある程度パラレルにまとめて切替えするようにすれば、一つあたりの接点の負荷が減るのではないかと考えた俺様。
これならいけるかも知れないということで、早速試してみることにした。
今回の生贄
で、早速ハードオフのジャンクコーナーでプリンタ切替器を捜索した俺様。
今回生贄になるのは...東京ニーズ(現イーサプライズ)謹製のNDS-3614というプリンタ4回路切替器。
4回路ということは、1台のPCで4台のプリンタを使ったり、逆に4台のPCで1台のプリンタを使うことができる。
4台ものスピーカーを切替えできるのであれば十分っしょ、普通。
【必要な部品】
今回の工作で必要な部品(?)は以下のとおり。
- スピーカーターミナル → 4回路なので全部で5個のターミナルが必要
- 結束バンド ケーブルタイ=インシュロック(色付き) → 最低でも4色分が必要
ターミナルは普通のプッシュターミナルで問題はないが、ここで注意しておきたいのは、ターミナルのサイズ。
今回、ターミナルは縦に取り付けするが、横方向に幅があると隣のターミナルに干渉してしまう可能性が大きい。
あと、ターミナルの背面に出っ張りがあるとうまく取り付けできないので、そこんところも注意。
俺様は近所のドイトでちょうど良いサイズのプッシュターミナルをゲットした。
OHM謹製のKIT-PT4(00-1803)というやつで、サイズは縦63mm×横18mm。
あと、結束バンドはそれぞれの配線をまとめる際に必要となる。
左右チャンネルそれぞれにプラスマイナスということで4色が必要であり、4回路であれば合計で20本(4本×5個)。
結束バンドの色が単色しかない場合は、セロテープとかで適当に対応すること。
工作開始
工作開始の前に、配線をどのようにやるかということをしっかりと決めておく。
いわゆるセントロニクスのプリンタコネクタは、前述したように36のピン数がある。
ということは、36本の配線を4分割して、9本/セット×4セットで1つのスピーカーターミナルに割り当てすればよいことになる。
具体的には、①右チャンネルのプラス(1ピン~9ピン) → ②右チャンネルのマイナス(10ピン~18ピン) → ③左チャンネルのマイナス(19ピン~27ピン) → ④左チャンネルのプラス(28ピン~36ピン)とまとめる。
そうすると、ロータリースイッチの9接点をパラレルで使えることになる。
ま、9接点分もあれば、恐らく接点の容量的に問題はないものと勝手に思ってみた(^^;)。
それでは、工作開始!!
まずケースの分解から。
通常であればケースの底面にあるネジを4本外すだけで、上部のケースを取り外すことができるはず。
...実物を見ると、非常に手ごわい感じがする(^^;)。
次に、プリンタのコネクタを固定しているネジを外し、コネクタをケースから外す。
この際、どの色のケーブルがどの番号のコネクタなのか、きちんと記録しておくこと。
次に、コネクタの1番ピンから順番に半田ゴテを当てて、ケーブルを取り外していく。
で、ケーブルを9本取り外したところで結束バンドを使ってケーブルをまとめる。
先に割り当てを、①右チャンネルのプラス(1ピン~9ピン) → ②右チャンネルのマイナス(10ピン~18ピン) → ③左チャンネルのマイナス(19ピン~27ピン) → ④左チャンネルのプラス(28ピン~36ピン)としたが、①から④までのそれぞれに違った色を使うこと。
で、全てのプリンタのコネクタについて同様にケーブルを取り外し、全て9本単位でまとめてやる。
...くれぐれも結束バンドの色を間違えないように。間違えると最悪アンプが死ぬ可能性があるので(^^;)。
で、9本のケーブルのそれぞれの被覆を少し剥いてやり、1本にまとめてしっかりと半田付けしておく。
次に、プリンタのコネクタを固定していたネジとナットを使い、スピーカーターミナルを固定する。
最後に、それぞれのターミナルの端子に、先程1本にまとめたケーブルを半田付けしていく。
くれぐれもターミナルの左右&プラスマイナスと、対応するケーブル(結束バンドの色で判断)は間違えないように。
ということで、最終的に5色のケーブルのそれぞれに4個ずつ、都合20個の半田付けを行ないスピーカーセレクターの出来上がり。
ここで急がずに、必ずテスターの導通チェック機能を使って配線のチェックを行なうこと。
左右の間違い、プラスマイナスの間違い、回路自体の間違いとかを徹底的にチェックすべし。
問題がなければ、上部のケースを元に戻してネジ止めしておしまい。
スピーカーセレクターのテスト
やっとの思いで完成したスピーカーセレクター。
背面から見なければ絶対にスピーカーセレクターには見えない(当たり前)のが売りかも(^^;)。
早速アンプに接続し、スピーカーを接続し、試聴してみる。
...全然普通に聴こえる(^^;)。
ボリュームをかなり上げても問題はなさそう。やはり、接点の9パラ化は有効っぽい...大成功かも。
今回の工作の費用は、プリンタ切替器が315円(税込み)で、スピーカーターミナルが5個で890円(税込み)の合計1,205円也。
その他の部品(結束バンド等)は全て手持ちのものを使用した。
...こんなに格安でナイスなスピーカーセレクターが作れるなんて、とっても素敵(^^;)!!
ということで、さあ、プリンタ切替器を探しに街(というかハードオフ)へ出掛けてみよう!!