バックロードホーンをリニューアルしてみよう!!

善?は急げ?

とある週末、いつものように近所のハードオフ店内を巡回(^^;)していた俺様、珍しくジャンクコーナーではなく通常のオーディオコーナーで足を止めた。

どこかで見たような小型のバックロードホーンが売りに出されている...商品ラベルを見ると、FOSTEXのBK10とある。

BK10といえばFOSTEX謹製の10cmフルレンジ用のバックロードホーンのエンクロージャキットであり、お値段もそれなりに高かったはず。

  • 本来はキットなのだが、組み立てされた状態
  • 防磁型12cmフルレンジユニットであるFOSTEX FE127Eが取り付け済み

概観は、とにかく程度が良いように見える...で、BK10もFE127Eもとっくに生産終了しているのだが、当時の定価を合計すると確か4万円近くになるはずが14,700円...半額以下になっている。

...店員さんに「鳴らしてみていいっすか~?」と聞いてみると、「どうぞどうぞ」と快く許可してくれたので、BK10をジャンクチェックコーナーにえっちらおっちらと運んで、置いてあるプリメインアンプに結線し、CDプレイヤーの再生ボタンをポチッと押してボリュームを徐々に上げると...(曲はEXILEだったが)全く普通に鳴ってくれた。

バックロードホーンらしいメリハリのある音を久し振りに堪能し、ますます購買意欲が湧いてきてしまった俺様だったが、価格もそれなりなんで少し躊躇してみることにして、BK10を元の場所に戻して一旦帰宅することに。

で、俺様宅で色々と情報収集をしているうちに再度購買意欲というか物欲が湧いてきたのだが、今までの経験からすると、いざ購入!!と勇んでハードオフに行くと「既に売り切れちまっていた!!」、というケースが割とあったかも。

その度にとっとと買っとけば良かったと後悔しまくっていたのだが、今回はやっぱり初志貫徹というかゲットしたいという思いが勝ったので再度ハードオフに突撃。

「どうかBK10がありますように」と祈りつつ入店すると...あった(^^;)...良かった良かった。

ということで、最終的にBK10をゲットし「やっぱり、善は急げだな~(用法間違い)」と一人悦に入りながら帰宅した俺様...ちなみに、この話は当然奥様にはしていなくて、散々怒られたのは言うまでもない(^^;)。

やってみたいこと

早速BK10を茶の間のシステムで鳴らしてみると、ハードオフで聞いたまんまでメリハリのある音を再現してくれた。

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正面から見たBK10。いかにもバックロードホーン。

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シンプルなBK10の背面。

が、そのまんまで使い続けてやるほど優しくはない俺様、どのようにいじりまくってやろうかと考えてみた。

  • スピーカーユニット交換
  • キャンセルマグネット装着
  • 美しく塗装

...そんくらいか~、一応これはこれで完成しているもんだし。

と、その前に、何となくエンクロージャの中身を確認したくなったのでばらしてみた。

実は、この時に配線とかチェックを入れておけば良かったのだけど、詳細は後述。

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FE127E。このエンクロージャには大きく見える。

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なぜかユニット取付用の穴が8個ある。

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FE127Eの背面。防磁型には良くあるフォルム。

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スピーカーターミナル。ごく普通のプッシュ式。

スピーカーユニット

まずは、スピーカーユニットの交換から着手してみることにした。

FE127Eはそれなりに鳴ってくれているのだが、やはりバックロードには力不足な感じが否めないので、ここは一発FEシリーズの最新バージョンであるFE103Enに交換してみることに...注文は品揃え豊富なコイズミ無線にしてみた。

ついでに、キャンセリングマグネットを付けてダンピングの改善&何となく防磁仕様にしてしまえということで、以前利用したことがある二六製作所にロックオン。

FE103Enのマグネットのサイズに合うマグネットだが、穴開きのタイプ(ドーナツタイプ)しかないようなので、とりあえずフェライト製のΦ80×Φ40×12というやつを2個注文。

しかし、このショップは購入金額に関わらず送料・代引き手数料が無料という非常に太っ腹なショップであり、いつも感心してしまう。

数日してFE103Enが到着したので、FE127Eを取り外そうと作業に着手したところ、驚愕の事実?が判明。

スピーカーターミナル、スピーカーユニットとケーブルの配線というか半田付けが無茶苦茶いい加減...半田付けすらされていない...かなりショック。

端子の部分を黒いビニールテープでぐるぐる巻きにしていたのは、埃とか美観とかそういうもんではなくて、単にケーブルと端子を固定するためだった???

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いわゆるイモ半田、というか半田が付いていない。

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ただケーブルを巻いているだけ...唖然。

...気を取り直して、FE127Eを全て取り外す。

ところで、フロントバッフルのスピーカー取付用の穴が8個開けられているのが何となく気になった...8個穴というのは通常は高価格&ハイパフォーマンスのスピーカーユニットで用いられるはずだが、当初、どういうスピーカーがここに収まっていたんだろうか。

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12cmのユニットで8個穴?どんなユニットなのか?

取り出したFE127EとFE103Enを並べてみる。

FE127Eの方が世代としては旧いのだが、正面から見るとサイズが違うくらいで非常にルックスは似ている。

背面は防磁型とそうでないやつの違いが明確だが、FE103Enのマグネットがでかいということが分かるかも。

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左がFE127Eで、右がFE103En。

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マグネットのサイズというか直径はあまり変わらない。

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FE103Enの背面。見るからに良い音がしそうだ。

キャンセリングマグネット

次に、キャンセリングマグネットの取り付け...強力なマグネットを取り扱うので、怪我とかには十分注意すること。

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神戸からはるばる到着したマグネット。

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梱包も非常に丁寧。これで送料無料とは。

取り出したマグネットを試しにFE103Enに載せてみる。

以前作ったスピーカーにキャンセリングマグネットを取り付けた際も同じだったが、最初反発しあっているマグネットが突然くっついてしまうのは非常に不思議...でも放っておくと段々とずれてしまうのだが。

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今回購入したドーナツ状のマグネット。

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試しに載せてみる...いい感じ。

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見るからに強力そうな雰囲気が出ている。

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段々とずれていくマグネット。

いよいよ本番ということで、FE103Enの背面に接着剤を塗ってからマグネットを接着し、しっかりと固定するためにガムテープでぐるぐる巻きの刑にしておく。

固定をしておかないと接着剤の滑りもあり、段々とマグネットがずれてしまい想定外の事態となるのでここはしっかりと。

一晩十分に乾燥させて、オリジナルFE103Enの出来上がりだ!!

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ガムテープでぐるぐる巻きの刑の執行中。

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一晩経過し、見事に接着されたマグネット。

フロントバッフル

スピーカーユニットを交換するということは、当然フロントバッフルも交換する必要があったりする。

BK10の場合、フロントバッフルは六角穴付ボルトで固定するようになっているので、交換自体は簡単かも。

で、フロントバッフルのサイズは縦165mm×横172mm×板厚12mmであり、そのど真ん中にFE103Enを取り付けるために直径92mmの穴を開けてやる必要がある。

それと、BK10は桜合板を使用しておりラワン合板やMDFだと美観を損ねるので材質にも注意してやる必要がある。

ついでだが、オリジナルのフロントバッフルの木目は縦方向となっていたが、BK10のフロントは木目が横方向なのでそこいらへんにも注意。

ということで、近所のドイトに行って合板コーナーを物色してみると...やっぱり桜合板はお値段が高いし、合板のサイズもでかいやつしかない!!

どうするべぇかと悩んでいた俺様、端材コーナーはどうかと物色してみたら...ちょうど良いサイズのシナ合板(多分)を発見した...お値段は60円(^^;)。

少々傷が付いているのがアレだが、何より安いしシナ合板であれば桜合板との相性も悪くはないだろうと勝手に判断し、即購入し、その後工作コーナーに持ち込んでカットしてもらった。

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端材コーナーで見つけたシナ合板。爆安。

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あまり違和感がないかも。

カット代金は240円であり、板の値段の3倍も高かったが工作コーナーのおじさんの協力によりばっちりと仕上がった。

ここでオリジナルのフロントバッフルについて気付いたことだが、このフロントバッフルって、微妙にユニット取り付け穴のセンターがずれていた(^^;)。

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左が美しく仕上がったフロントバッフル。

完成したフロントバッフルを持ち帰り、早速BK10に取り付けてみると...ばっちりと収まった!!

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最初からお誂えのようなフロントバッフル(自画自賛)。

最後の最後だが、フロントバッフルをBK10に固定するための六角穴付ボルト穴を4個開ける必要がある。

これは自分でやれるので、直径6mmの穴を電動ドリルでさくっと開けた。

ちなみに穴の位置だが、フロントバッフルのそれぞれの角からちょうど10mmのところで開けることになる。

最終的に出来上がったフロントバッフルをBK10に固定し、FE103Enを載せてみると...非常に格好が良いかも。

少々バッフルの色が明るいような気もするが、気にしない気にしない(^^;)。

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取り付けた新しいフロントバッフル。

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エンクロージャーより少々明るめの色。

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全く違和感なく収まったFE103En。

塗装

ここまで来たら、後は配線をして一丁あがりとしても良いのだが、ここはやはり仕上げが必要かも。

今までの自作スピーカーは板の素材がラワン合板とかMDFだったので、安直に木目のビニールシートを貼り込んで完成させていたが、このBK10は桜合板を使用しているということもあり、非常に木目が美しいのでこれを生かすべく俺様的には初めてのニス塗装にチャレンジしてみることにした。

ここで塗装の参考にしたのはこちら>有難うございました、VICさん!!

最初は缶入りのニスを塗ろうかと色々探し回ったのだが、無茶苦茶値段が高くて躊躇していたところ、オークションで在庫処分らしい油性ニススプレーが大量に出品されていたので「チーク」と「ウォールナット」をゲットした。

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大量に到着した油性ニススプレー。

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定番という感じのワシン謹製ウレタンニス。

で、休日の2日を掛けて屋外で塗装に挑戦。手順は以下のとおり。

  • BK10を#240のサンドペーパーで研磨し、ぬれた雑巾で拭いてやる
  • 乾いたら塗装開始 → 乾燥したら#400のサンドペーパーで再度研磨し、ぬれた雑巾で拭いてやる
  • 再度塗装 → 乾燥 → 研磨を繰り返す
  • 最低でも3回は重ね塗りすること

風もあまり吹かず、塗装には最適の環境ではあったけど、何しろ初めての油性ニス塗装、ついでにスプレーでの塗装ということもあり未熟さが前面に打ち出されたかも。

特にスプレーする距離がなかなか掴めず、ニスの液ダレが発生...かなりいやーんな感じ。

しかし3回も重ね塗りしてやると、それなりに高級感というか重厚感が出てきて、そんなに液ダレも気にならなくなってきた...良かった良かった。

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一回目の塗装。早くも液ダレ発生中。

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2回目の塗装。早く乾け!!

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3回目の塗装が完了し、乾燥中。

配線

エンクロージャーの塗装も完了し、後はユニットの取り付けを残すのみ。

半田ごてを握り締め、スピーカーターミナルとユニットをそれぞれケーブルでがっつりと半田付けしてやる。

最後に、ユニットを木ネジでフロントバッフルに固定してから、六角穴付ボルトでバッフルをBK10に固定してやる...完成。

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FE103Enの端子部分。金メッキターミナル採用。

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スピーカーケーブルとしっかりと半田付け。

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スピーカーターミナルとがっつり半田付け。

試聴&設置

ということで、とうとう完成した俺様的BK10改、見た目は全く別物になったが、肝心の音はどうなのか?

早速お茶の間のシステムに接続して鳴らしてみることにした...ソースは...「風来のシレン外伝 女剣士アスカ見参! 」(^^;)。

オープニングのムービーでは、のっけから迫力のある音が鳴り響く...高域も低域もバランスが取れているかも。

バックロードホーンは通常鳴らし始めが非常に残念な感じの音になってしまうのだが、エンクロージャーが完成&塗装&乾燥しているためなのか、それなりに聴ける。

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完成した俺様スペシャルのBK10改。

しかし何となく高域がうるさい感じというか、前面のホーンから中高域が漏れているようなので、空気室にグラスウールを少々突っ込んでみた。

結果、中高域が落ち着いた感じになり非常に聴きやすくなったかも。

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一旦フロントバッフルを開けてグラスウールを突っ込む。

最後に、BK10改を2階の寝室兼パソコン部屋に設置。

なぜPC-98を挟んでいるのかは謎だが、気にしない気にしない。

再度この状態で鳴らしてみると、再びバックロードらしく迫力のある音が部屋に充満した。

いくらボリュームを上げてもうるさくはなく、ボーカルも綺麗...あまりボリュームを上げすぎて奥様に叱られたのは内緒(^^;)。

最終的には購入価格と同じくらいの追加投資をしたけど、やっぱりスピーカー工作は楽しいわいと思った俺様でしたとさ。

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全く違和感なく収まったBK10改。聴きまくるぞ!