Slot1のマザーボードを延命させよう!!

Slot1の限界?

俺様宅で唯一、プラットフォームがSlot1である2号機こと「完全(?)自作PC」だが、相変わらずジャンクなPCIカードや各種デバイスのテスト等に活躍してくれている。

だが、この2号機はマザーボードがASUS P2B-LSの初期リビジョン(1.02)であり、使えるCPUはいわゆるPentiumIIIのKatmaiコア(最高で600MHz)までとなっている。

  • Vcoreを生成するDC-DCコンバーターには「HIP6004ACB」が採用されている
  • HIP6004ACB」は、1.8V以下の電圧を生成できない
  • よって、CoppermineコアのCPU(1.65V以下)を動作させることができない
  • 改造により、無理矢理1.8Vの電圧を生成させてCoppermineコアのCPUを動作させるという荒業もあるようだけど、俺様的には(非常に)難易度が高い

ということで、あまり無理をさせずにPentuimIII(500MHz)を使っていた(ただしFSBは110MHzにしていたので、実際のクロックは550MHz)。

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ファンレスでとっても静かなヒートシンク。

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FSB100MHz×5.0倍で550MHzのクロック。

しかし、諸般の事情により、この2号機の高速化が必要となってしまった。

...ということで、2号機の更なる高速化に挑戦してみることにした...「素直にマザーボードを買い換えろよ」という突っ込みは無しで(^^;)。

CPU高速化の手段

マザーボードのP2B-LSの制約により、KatmaiコアまでのCPUしか載せられない俺様の2号機

ということは、最高でも600MHzまでしかクロックを上げられないことになる(FSBは100MHz)。

...それではつまらないので、俺様的にはもっとクロックアップさせたいところ。

次世代のCoppermineコアとかTualatinコアを使ってみたいという欲望がふつふつと湧き出てきた。

となると、いわゆる変換下駄の出番となる。ソケットの形状の違い(Slot1 → Socket370)を吸収し、かつ次世代のCPUが動作できるようなVcore電圧を自分自身で生成できるやつ。

探してみると、候補の数は非常に少なかったりする。

で、上記の変換下駄のうち、Socket370最終世代のTualatinコア搭載のCPUに対応しているのは「PL-iP3/T」のみだったりする。

それならば、やはり最高峰というか限界に挑戦してみたいと思った俺様、早速オークションで「PL-iP3/T」(Rev.2.0)+Celeron1.4GHzをゲットした。

なぜPentiumIIIでなくCeleronかというと、P2B-LSのFSBは最高で100MHzであり、クロック数だけでいうとCeleronの方が稼げるため。なお、PL-iP3/T」はリビジョンが1.0と2.0との2種類あるが、2.0でないとVcore電圧が自在に設定できないので注意。

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PL-iP3/Tの雄姿。

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リビジョンは2.0であり、色々と遊べる。

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ヒートシンクを外した状態。Celeronさんが見える。

Celeronさんは、Tualatinコアでは最高クロックの1.4GHz。

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Vcoreは1.5Vであり、100MHz×14倍で1.4GHz。

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TDP(熱設計電力)は34.8Wであり、エコかも。

意外な盲点

PL-iP3/T」が到着してから、付属品をよく確認していなかった俺様だったが、よく見てみると...非常に重要なパーツが欠落していた...

それは、「PL-iP3/T」に電源を供給するケーブルだったりする。これがないと、CPUへの供給電力不足となり、まともに動作しないっぽい。

で、いい加減時間が経ってから気付いたので、いまさらオークションの出品者に確認することもできない。

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このコネクタに電力を供給してやる必要あり。

ということで、手持ちの電源延長コネクタ&ATX電源用ケーブルを使って、直接「PL-iP3/T」にケーブルを取り付けてやることにした。単に半田付けするだけなので、作業自体は非常に簡単。

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電源供給ケーブルの材料。

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直接コネクタに半田付けを行なった。極性に注意すること。

細かな設定

お次は、ディップスイッチの設定。マザーボードで設定できるFSBは、BXチップセットということもあり最高で100MHzとなる。また、今回CPUに供給する電圧、いわゆるVcoreは1.5Vだったりする。

ディップスイッチの設定は下の図を参考に。

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初期設定のままではうまくいかない場合もあり、設定は色々と試してみること。

下の画像がFSB設定用のジャンパ。

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FSB設定用のジャンパ。強制的に100MHzにしている。

下の画像がVcore設定用のジャンパ。

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Vcore設定用のジャンパ。1.5Vに設定している。

あとは、ヒートシンク。「PL-iP3/T」の純正ヒートシンクは、何となくサイズが小さいような気がする。

なので、手持ちのクーラーマスターのヒートシンク&ファンに交換することにした...が、あまりにもファンが爆音を奏でてくれたので、速攻で純正ヒートシンクに戻したのは内緒(^^;)。

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左側が非純正(^^;)、右側が純正。

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サイズが全然違う。

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メモリにぎりぎりまで接近しており、ちと心配。

電源投入とエラー

準備は整ったので、いよいよ電源投入。

で、スイッチオン!...ファンが勢い良く回転を始める...HDDのアクセスランプが点灯する...画面には...何も映らない(^^;)。

いきなりコケたようなので、一旦電源を落として、変換下駄を刺し直して再度電源投入。

...無事にBIOS画面が表示されたので、ちょっと安心。単なる接触不良だったっぽい。クロックもばっちり1.4GHzと表示されている。

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PentiumIIIと表示されているのはご愛嬌。

が、ハードウェアのエラーがあったという表示とともに起動がストップ。ま、お約束か?

早速DELキーを押してBIOSセットアップに入る。

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いきなりのエラー表示。あわてずセットアップ画面へ。

一般的に、CPUを換装した際に発生するエラーは、以下のいずれかか、全てだったりする。

  • CPUのファンの回転数エラー → 正常に回転数を把握できない
  • CPUのVcoreの電圧エラー → 正常に電圧を把握できない
  • CPUのクロックのミスマッチエラー → CPUのクロック数が何か違っている

あと、BIOS自体が新しいCPUを認識できないというエラーもあり、これは割と深刻だったりするが、BIOSを最新のやつにアップデートすれば大体解決するかも。

ということで、BIOSセットアップで、CPU周りの情報を見てみると案の定エラーが出ていた。

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ファンの回転数が不明というエラーが出ている。

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Vcoreの電圧が2.1Vというエラーが出ている。

エラーの出ている項目を全て「Ignore(無視)」に設定し、変更を保存して再起動をする。

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回転数も、電圧(の一部)も、全部無視!!

今度は無事にWindowsが正常起動するところまで進んだ。恐らく問題はないかも。

ベンチマーク

最後に、お約束のベンチマーク。まずは定番の「WCPUID」で動作クロック数を確認。

下の画像はCPU換装前の情報。110MHz×5.5倍で550MHzのクロック。

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今となっては、旧石器時代のように懐かしいCPUかも。

で、下の画像はCPU換装後の情報。100MHz×14倍で1.4GHzのクロック。

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こちらではきちんとCeleronと認識されている(当たり前)。

クロック数が1.4GHzと2.54倍も増加し、なおかつL2キャッシュは容量こそ256KBと半分になったがスピードは2倍になっており、Windows2Kがきびきびと動作する。

で、引越しをしたMTVX2004も全く問題なく動作している。有難や~。

ということで、延命手術を行なった結果、まだまだ現役で活躍してくれそうな2号機さん。マジで頑張ってくださいな。