マザーボードのコンデンサを貼替してみよう!!

奥様の友人の実家のパソコン

とある事情で、奥様の友人の実家のパソコンの面倒を見ることになった。

奥様の友人の実家ということは、俺様的にはそれまで全く付き合いもない訳で、どうなることやら...

ということで、奥様&次男坊とで家庭訪問をしてみたが、みんな優しい人たちで一安心(^^;)。

今回面倒を見るブツは、NECのVR500というやつ。

  • 正式な型番はPC-VR500BDであり、スペックはこちら
  • 発売は2005年1月であり、テレビが楽しめるパソコンとして当時大々的に宣伝されていた
  • 症状としては、電源を入れても起動しないということ
  • 以前はきちんと起動していたらしいが、だんだんと起動しなくなったっぽい

...恐らく電源周りだろうか?ま、修理に挑戦してみましょ。

原因らしきもの

ブツを俺様宅に持ち帰り、早速分解。

ところで、こういう一体型のブツは分解が非常に面倒くさい。

ネジの数も多いので、デジカメとかでネジの位置とかを確認しながら分解するのが吉かも。

で、取り敢えず電源のチェックを行なってみたけど、特に電源に異常は出ていない。

しかし、電源スイッチを押すと一瞬だけCPUファンが回転するだけで起動はしない。

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VR500の内部。ここまでくるのにカバーを外しまくり。

これだけでは原因が全く分からないので、カード類を取り外してみることに。

PCIスロットに刺さっているカード、具体的にはキャプチャカード(SmartVision相当)、ビデオカード(液晶駆動用?)、モデムカードの都合3枚を取り外す。

全てのカードを取り外して基盤を眺めてみると...マザーボード上に非常に怪しい箇所を発見。

カード類に隠れて見えなかったが、チップセット(915GV)のヒートシンクの隣にあるコンデンサが膨らんでおり、いわゆる御懐妊状態

他のコンデンサも確認してみたが、結局膨らんでいるコンデンサは4本で、その他は無事っぽい。

...これが原因なんだろうと勝手に決めつけ、交換してみることにした。

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てっぺんが膨らんでいる状態であり、もう少しで破裂。

コンデンサの交換

マザーボードのコンデンサがいかれるという事例は星の数ほどあるが、原因は単に安物&低品質のコンデンサを使っていることに尽きると思っている俺様。

2005年の製品が5年もしないでいかれるのはまずいだろう...もっと品質の良いコンデンサを使ってくれぃ!!>NEC。

通常であれば、劣化したコンデンサを基盤からリード線ごと取り外し、新品のコンデンサを取り付けるということになるが、今回のケースではマザーボードを取り外すのが非常に面倒なので手抜き工事を行なうことにした。

具体的には、劣化したコンデンサをゆっくりと引っ張ると、内部電極を残したまますっぽりと抜けるので、その電極に新品のコンデンサを半田付けしてしまうということ。

手抜き工事というだけあってかなりリスキーなのであまりお奨めはしない。下手をするとスルーホールごと抜けてしまい一巻の終わりとなるので。

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コンデンサの内部電極が残っている状態。

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このコイルが発熱源のようだ。白くなっている...

取り外したコンデンサは16V1500μFが1本、10V1000μFが3本だった。

コンデンサのメーカーは「KZG」...一応日本ケミコン製らしいが、ネットで調べてみると中華製と同じくらいの低品質っぽい。

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コンデンサ自体も変色している。よっぽど高熱だった?

しかしそれより気になったのは、今回取り外したコンデンサの脇にある謎のコイルだったりする。

このコイルが異常に発熱しているようで、いったいどうなっているのかと小一時間NECの設計陣を問い詰めたくなった俺様(^^;)。

で、代わりのコンデンサを注文。

注文はいつもの共立エレショップだが、今回の注文のポイントは...

  • 通常の85℃品ではなく105℃品にしてみる。気休めかも知れないけど
  • 耐電圧も16V(1500μF)や10V(1000μF)ではなく35Vにしてみる
  • 1500μFは在庫がないようなので、470μF+1000μFのパラということで

で、到着したコンデンサ...サイズがでかい(^^;)...サイズは事前によく確認しておきましょう>俺様。

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到着した、ぴっかぴかのコンデンサ。

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サイズが...でかい。こりゃ失敗か?(^^;)

交換完了!!

ま、コンデンサを買い直すのもアレなので、取り敢えず取り付けてみることにした。

コンデンサの内部電極は非常に半田が乗りづらいので、接点を磨くとかフラックスを使うとか工夫すること。

で、なんだかんだで取り付けが完了した...非常に美しくない仕上がりだが、気にしない気にしない(^^;)。

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マジで図体がでかくて取り付けに難儀した...

ということで、カード類を元に戻し、背面のケース/カバーを開放した状態で起動のテストを行なってみる。

電源コードを接続し、電源スイッチをポチッと押す...CPUファンが勢い良く回転し、それまで無反応だった液晶画面に白地に青文字でNECのロゴが表示される。

...やった!!起動した!!ラッキー!!

そのままWindowsXPが正常に立ち上がるのを確認。

ここまで来ればもう大丈夫だろう...という確信を持った俺様だったが、この後落とし穴がぽっかりと口を開けて待っていたことは露知らず...

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めでたく復活したVR500、と思われたが...

謎の不具合発生

いったん電源を切り、背面のケース/カバーを元の状態に組み立てて再度電源スイッチをポチッと押す。

...立ち上がらない(^^;)。ビデオカードのBIOS画面が表示されたままで先に進まない...

どこか組み立てを失敗したのかと思い、再度背面のケース/カバーを取り外して内部を点検し、電源スイッチをポチッと押す...今度は無事に立ち上がった。

...いったい何が原因なのか良く分からないまま、再度背面のケース/カバーを元の状態に組み立てる。

で、電源スイッチをポチッと押す...またまたビデオカードのBIOS画面が表示されたままで先に進まない...

...何が原因なんじゃ~!!と、パソコンをぶん殴りたくなった俺様(^^;)。

色々と調べてみたが、結局背面のケース/カバーを取り外した状態では確実に起動し、取り付けた状態では確実に起動しないことが判明。

...もしかして、適当にコンデンサを取り付けしたので静電気かなんかの影響が出ているのでは?と思った俺様、仕方がないのでマザーボードを取り外して真面目に半田付けしてみることにした。

真面目といっても、マザーボードの表にパラ接続で取り付けた470μF+1000μFのうち、470μFをマザーボードの背面に取り付けただけだったりする。

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これが苦労して取り外したマザーの背面。変色している。

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マザーの背面に取り付けた470μFのコンデンサ。

予想どおりマザーボードの取り外しには難儀したが、思ったよりは簡単だったかも。

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真面目に取り付け直したコンデンサたち。

で、背面のケース/カバーを取り外した状態のままで祈るような気持ちで電源スイッチをポチッと押す...無事に起動。

ま、ここまでは当たり前なので、今度は背面のケース/カバーを取り付けて電源スイッチをポチッと押す...これまた無事に起動した!!

不思議なこと(でもないか)だが、やはりコンデンサの取り付け方法に問題があったっぽい...

ということで、無事に修理が完了した奥様の友人の実家のパソコン。

まともにNECに修理に出すと5万円~6万円もかかるという話であり、それがコンデンサ代(600円弱)で直るとは...実に不思議(^^;)。

...それでは、達者でな~(^^;)。