電源が入らないノートパソコンを復活させよう!!(失敗編)
よくある話...なのか?
会社のOBから俺様宅に電話が入り、使っていたノートパソコンの電源が突然入らなくなったとのこと。
ノートパソコンで電源が入らなくなるというのは割とありがちな話であり、俺様の経験によるとその原因のほとんどは電源周りに起因するという落ちが付く。
ということで、OB宅を家庭訪問し、現物を見てみることにした。
機種はNECのPC-VY10FBHEZ2HLというもので、調べてみると2003年10月発表の「VersaPro」シリーズ。
B5サイズでコンパクトな割にはそこそこの性能で人気は高いかも。
電源が入らなくなっていることは確認できたので、そのまま現物を俺様宅に持ち帰ってさらに詳しく調べてみることにした。
その前に、Webでこの機種について検索をしてみると...かなり電源周りの不具合が多発している模様。
- いきなり電源が落ちてそれから起動しなくなるケース多発 → VY10F/BHとかVY80M/BHとかVY80M/BWとかLG10F/JHとかたくさん
- 原因のほとんどがチップコンデンサの破損または焼損
- 症状が悪化するとマザーボードのパターンまで焼損してしまい、再起不能になる確率が増大
- ACアダプタを接続しているだけで症状が悪化するので、すぐコンセントを抜くこと
...もう手遅れかも(^^;)。
しっかし、こういう症状が多発するとは、一体どういう設計をしているんぢゃい!!間違えると発火するだろうが!!とNECを小一時間問い詰めたくもなったが、仕方がないので開腹作業に入ることにした。
かなり悲惨な状況
NECに限らず、ノートパソコンの分解手順は割と似通ったところがあるかも。
- 本体をひっくり返して背面のネジを外す
- 再度ひっくり返してキーボード/パームレストを外す
- HDDとかマザーボードを外す
今回はマザーボード上のコンデンサがいかれている可能性が大なので、マザーボードまで取り外すことになり少々厄介になりそう。
ところで、くれぐれもキーボードとかパームレストとマザーボードを接続しているフレキケーブルを破損しないように気を付けること。
あ、具体的な分解手順は検索するといくらでも出てくるので割愛 → 手抜きで悪いか?(^^;)。
で、下の画像がなんやかんやで取り出したマザーボード。
ここで、基板の中を良く眺めてみる...お目当ては当然チップコンデンサ。
...うわ...コンデンサが焦げている...それもかなりの数が。
なんでこうなっちゃうんだろうか?
以前修理したVR500のときもそうだったが、コンデンサ自体の問題というよりは、やはり設計に問題があるような気がするのは気のせいなのか?
下手をするとマジで発火するだろう、これは...ガクブル。
OBはずっとACアダプタを繋ぎっぱなしだったと言っていたし、マザーボードのパターンまでやられているようだし、これはもう手遅れの予感がぎゅんぎゅんする。
しか~し、ここまできたら最後まで面倒を見てやらないと男がすたるので、復活策としてチップコンデンサの貼替えに挑戦だ!
無駄な努力?
それでは、俺様的にかなり難易度の高い作業のために必要なアイテムは以下のとおり。
- チップコンデンサ 50V 4.7μF×17個 → 基板表で7個、裏で10個必要
- 半田付け工具一式 → 半田吸取り器はかなり必要
作業はコンデンサを取り外し、次に基板のパターンを清掃しカーボンとかを取り除き、新しいコンデンサを取り付けするということの繰り返し...マジでストレスが溜まる溜まる(^^;)。
死にそうになりつつも、何とか全てのコンデンサの貼替えが完了したので念のために再度細かく基板のチェックを行ない、大丈夫っぽいので基板を元に戻して組み立て直し。
さて、いよいよ電源投入してみっかと、ACアダプタを接続して祈りながら電源スイッチをポチっと押すと...何も起こらない(^^;)。
やはり通電しない状態がそのまま続いている...駄目だこりゃ。
あきらめきれずに再度分解してパターンのチェック等を入念に行ない、組み立て直して電源投入したが、結果は変わらず。
...あきらめよう、と決断するまでにはそう時間が掛からなかった...。
ということで、大手術の甲斐もなく息を吹き返さなかったPC-VY10F君、残念だが君はハードオフ行きだ(^^;)。
もし電源が入らなくなったPC-VY10Fがあれば、即ACアダプタをコンセントから抜くことをかなりお勧めする俺様でしたとさ。