マルチフレアー構造のスピーカーを作ってみよう!!(その2)
手作りスピーカーの有効活用
以前、ハンドメイドでスピーカーユニット(キット)を作ったが、そのスピーカーユニットを有効活用してみたいというか、エンクロージャを作ってやりたい衝動に駆られた俺様。
折角キャンセリングマグネットまで取り付けたのに、死蔵しておくのも勿体ないので。
で、一体どんなエンクロージャがお似合いなのか考えてみることにした。
ここで、スピーカーユニットのスペックをもう一度。
項目 | スペック |
---|---|
インピーダンス(IMP) | 8Ω |
最低共振周波数(fo) | 150Hz |
再生周波数帯域(f range) | fo to 30kHz |
出力音圧レベル(S.P.L.) | 85db/W(1m) |
定格入力 | 6W |
振動系重量(mo) | 1.5g |
Qo | 0.74 |
実効振動半径(a) | 28mm |
マグネット重量(g) | 74g |
総重量(g) | 0.23kg |
バッフル穴径 | φ65mm |
...タイプ的にはFOSTEXのFEシリーズ、FE83あたりと似ている。であれば、バックロードとかあまり大掛かりなタイプのエンクロージャは向いていない。
かといって、ありきたりのバスレフとか密閉もつまらない...と考えていたら...そうそう、アレがあった、アレが。
それは、以前作成して非常に俺様的に評価が高かった「マルチフレアー構造」のエンクロージャ。
サイズの割りに非常に質の良い低音を再生してくれるし、今回のような比較的Qoが高目のユニット(オーバーダンピングタイプではない)に向いているということで、決定。
エンクロージャの設計
設計といっても、基本的に「3Dースパイラルスピーカー」のサイトにあるやつを参考にするだけ。
今回参考にしたのは、Helix-HMF140という8cmユニット用のエンクロージャ。
ただし、今回設計を若干変更してみた。
- 板厚 → 元の設計では15mm厚のMDF合板を使用しているが、最寄のハンズさんには12mm厚までしか合板の在庫がないので、12mmでエンクロージャを再設計
- スピーカーターミナルの位置 → 元の設計ではスピーカーケーブルは仕切り板(フレアー)の中心部4枚を通しているが、スピーカーターミナルをエンクロージャの下部に配置して仕切り板の穴あけを2箇所とした
で、最終的に完成した図面がこちら。
12mm厚のMDF合板2枚(600×910×1枚、450×910×1枚)でコンパクトにまとめてみた。
材料の手配
今回はミリ単位の加工が必要なので、やはりここはハンズさんのお世話になることにした。
実際にハンズさんに行ってみたら、合板のサイズがなくて非常にあせったが(^^;)、適当に間に合わせた。合板の裁断そのものは30分程度で終了。
スピーカーターミナル用の穴とか、スピーカーケーブル用の穴とか、鬼目ナット用の穴は当然ながら自分で加工する。
組み立て開始
いよいよ組み立ての開始。
このタイプのエンクロージャの作成は2回目であり、慣れたもんよ(^^;)。
仕切り板の隙間には、水中ボンドとかコーキング剤を塗って気密性を確保しておくこと。
あと、今回は吸音材というかグラスウールを少量突っ込むことにした。
最後に、俺様が大得意の木目シート貼りをして完成...一見市販品と見違えるような出来(^^;)。
実測重量は3kgで、少々軽いかも知れない。
ま、オリジナルは15mm厚だったが今回のやつは12mm厚なので、仕方がないかも。
ということで、早速お茶の間のアンプにつないで試聴してみる。
...非常にいい感じ。やはり、サイズからは想像できない低音が出てくる。小音量でもくっきりとした低音。
ある程度音量を上げると、背面のダクトから空気が激しく出入りする...非常に不思議。
高音も割と伸びていて、すっきりした感じ。このままエージングが進めば、もっといい感じになること請け合い。
今回もまた大成功!!マジでこの「マルチフレアー構造」のエンクロージャはお奨め。
費用はトータルで5,000円程度で収まった。安価に作れるのもポイントが高いかも。
で、最終的に、このスピーカーは2階のパソコン部屋兼寝室で活躍してもらうことに決定。頑張るんだよ~。
スピーカーグリルの製作
ところで、スピーカーを作成した際に気になるのが、スピーカーグリルの有無。
無い方が音質的に良いことは分かりきっているが、不注意でコーンやセンターキャップを変形/破損させてしまわないようにしたいところ。あと、小さなお子様がいる家庭では必須かも。
で、今回作成したスピーカー用のスピーカーグリルだけど、市販品は当然ないのでこれまた自作してみることにした。サランネットはスピーカーが見えず面白くないので、網目のスピーカーグリルでいくことに。
用意するのは、12mmの角棒適量と、動物小屋とかを作る際に使う網。
まずは角棒でスピーカーのサイズより大きめの正方形の枠を作る。サイズは適当でよろしく(^^;)。
次に、網を適当に折り曲げて、先程作成した枠にはめてボンドで接着する。
次に、セロテープでマスキングをしてから黒色のスプレーで着色する。ま、着色しなくても気にならないかも。
あとはまたまた俺様が大得意の木目シート貼り工法を駆使して、自作スピーカーグリルの出来上がり。
最後にマジックテープを使ってスピーカーグリルをスピーカーに固定する。
ということで、落ち着いた感じのスピーカーの完成。これで安心して使いまくれるってもんだ(^^;)。