初代ファミコン(後期型)をAV出力化してみよう!!

前期型と後期型

前回のネタでは、初代ファミコンをAV出力化(コンポジット出力化+擬似ステレオ化)ということで結果大成功だったわけだけど、実は初代ファミコンと言っても基板のバージョン違いがあって、前回のネタはいわゆる「前期型」の基板を搭載する初代ファミコンの改造だったりする。

「後期型」の基板では、各種信号の出力個所がぱっと見で判らないようになっていて(改造対策?)、どこから信号を取り出すのか見極めに一苦労したが、改造に成功したので参考まで。

まずは、外観からの「前期型」と「後期型」の見分け方。まずは下の画像が「後期型」。

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「後期型」。ぎりぎりまで基板が迫っていますな。

で、下の画像が「前期型」だったりする。要するに、基板を固定しているネジより更に手前まで基板が迫っているのが「後期型」であり、基板の縁ぎりぎりでネジ止めされているのが「前期型」だったりする。

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「前期型」。基板の縁でネジ止めされていますな。

AV出力化基板の格納位置

「後期型」の基板は何が一番違っているかと言うと、本体基板とRFモジュレータ基板が一体化しているということだったりする。つまり、「前期型」の基板で可能だった「本体基板とRFモジュレータ基板との隙間にAV出力化基板を押し込める」という技が使えないことになる。これまた改造対策か?いやーん。

それでは、一体どこにAV出力化基板を格納すれば良いのかと小一時間...試しに本体基板を取り外すと...ありました(^^)。RFモジュレータ基板とケースとの間に丁度良い空間が。

ということで、早速改造開始。用意する材料は前回のネタとほぼ同じ。本当は微妙に定数とか変える必要があると言う話だが、面倒なのでそのまま(^^;)。

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「後期型」基板。いつもの隙間がなくなっていますな。

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ものの見事に隙間がない...どうすべぇか?

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AV出力化基板を格納するためにあるスペース?マジですか?

AVケーブルの取り回し

今回の改造では、前回やったようなRCA端子の取り付けはパスした。RCA端子の取り付けは異常に面倒臭いので。

よって、直接AV化基板からAVケーブルを引っ張り出すことにした。具体的にどうやったかと言うと、

  • 本体基板及びRFモジュレータ基板を取り外す
  • プラスチックの棒とその左右の仕切りを折り取る
  • 左のコントローラ(1P側)の上に穴を開ける
  • ゴムブッシュをはめる
  • AVケーブルを通す

と非常にシンプルにやった。例によって、コントローラのケーブルが巻かれているプラスチックの棒を折り取る作業と、ついでにその左右にあるプラスチックの仕切りを折り取る作業が必要。プラスチックの棒については、変に力を入れると本体に穴が開くので注意(^^;)。

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これがオリジナルの状態。

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コントローラのケーブルを取外す。

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真ん中の棒と左右の仕切りを取っ払う。

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穴を開けてゴムブッシュをはめてケーブルを。

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この位ケーブルを引っ張り出せれば楽勝。

AV出力化基板の配線

配線というか、取り出すべき信号は前回と同じ(当たり前)だが、問題は本体基板のどの個所から信号を取り出すかということだったりする。

結論から言うと、本体基板からRFモジュレータ基板へ行く信号をかっさらうことに(^^;)。

まずはオーディオ信号(右)だが、これは前回と全く同じ個所から取り出す。

下の画像ではオレンジ色のワイヤを使用。

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オーディオ信号(右)。前回と全く同じ個所。

下の画像が、RFモジュレータ基板へ行く信号が行き来している個所。

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ここらへんが信号を取り出すポイント。

下の画像が配線後。

  • 黄色はビデオ信号
  • 緑色はオーディオ信号(左)
  • 赤色はVCC
  • 青色はGNDとなる。

今回は単線のワイヤで配線。AV出力化基板との距離も近いし、RFモジュレータのシールド効果でそうノイズを拾うこともないかと判断。

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GNDはその上の大きなところから取っても可。

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配線はなるべく短くをモットーに。

あとはAV出力化基板をうまく格納して本体基板及びRFモジュレータ基板を元に戻しネジ止め、コントローラのケーブルを元に戻して裏ブタをネジ止めしておしまい。

あ、カセットのリリースレバーと配線が干渉しないように気をつけること。下手すると使っているうちに配線がぶち切れるので。

画質・音質については前回と全く同様で素晴らしい仕上がり(^^)。

押入れに眠っている初代ファミコンが出てきたら、是非とも改造してみてくらはい。

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改造の終わったファミコンの群れ...

補足事項 → オーディオ左チャンネルからハムノイズが出る場合

後期型のファミコンにAV出力化基板を仕込んだ場合、電源投入直後からオーディオ左チャンネルから盛大にハムノイズ(ブーンという音)が出る場合がある。

これは、かなりあせると思うけど心配御無用。試しに、2P側のコントローラに触ってみると、ハムノイズが減少するはず。どうやら原因は、2Pコントローラマイクの音声入力回路周りらしい。

ファミコンは、初期型と後期型で結構回路の造りが違っている。ロングセラーゲーム機だけあって、基板にもバージョンが何通りかある。

後期型については、2Pコントローラマイクの音声入力の回路の定数が変わっているようで、恐らくゲインが初期型のやつより高めになっていて、ハムノイズを拾いやすくなっているっぽい(詳しくは調べていないんだけどさ)。

ということで、2Pコントローラマイクのスライドボリュームが接触不良の場合、ハムノイズが出るようなのでスライドボリュームを何回か動かしてみる/2Pコントローラをばらしてスライドボリュームの接点を清掃するとかやれば解決するはず。または、微妙にマイク入力をオンにしてやれば良いかも。

マイクが故障しているとか最悪の場合、マイクの入力自体をカットしてやれば完全に解決するけれど、それだとニューファミコンと変わらないのでつまんないかも。

やっぱりマイクが使えてなんぼでしょ、ファミコンは。

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