謎のCFカードアダプタをアレしてみよう!!

誤算十五

数多くの会社OBのパソコンの面倒を見ている俺様だが、とあるOBのリクエストに応えるべく行動開始。

そのリクエストとは、ノートパソコンのメールデータのバックアップだったりする。

  • 現在ノートパソコンで仕事をしている → 在宅と海外出張がメイン
  • メーラーはOutlookExpressからThunderbirdへ移行したばかり
  • 以前OutlookExpressでメールデータ消失というトラブルがあり、メールデータのバックアップをやっておきたい

で、俺様のバックアップのアイディアはと...

  • USBの外付けドライブでバックアップするのがお手軽なような気がするが、ノートパソコンの持ち出しとかでいちいち繋げたり外したりがかったるいし、出張中はバックアップができないので減点
  • 自宅では無線LANに接続しているので、ネットワーク経由でNASとかにバックアップしても良いような気がするが、(俺様の)NASの管理がかったるいのでこれまた減点

...どれもこれもいまいち...と、俺様のノートパソコンをぼーっと見ていたら、とあるスロットに目が行った...PCMCIAカードスロット...バックアップ...それだ!

コンパクトフラッシュ(以下CF)をノートパソコンに内蔵し、それにバックアップすりゃいいんじゃね?と、我ながらナイスなアイディアかも → 自画自賛。

というころで、早速通り掛かった新宿南口のソフマップじゃんぱらでCFアダプタとCFカードをゲット...したのだが、ここで、何も考えずに(アダプタを)ゲットしたのが運の尽き(^^;)。

https://hkjunk0.com/wp-content/uploads/cf_reader01.jpg

ま、よくあるタイプのアダプタ。

https://hkjunk0.com/wp-content/uploads/cf_reader02.jpg

CFもマイクロドライブも使えます。

https://hkjunk0.com/wp-content/uploads/cf_reader03.jpg

16GBしかなかったけど、メールデータなら十分かも。

https://hkjunk0.com/wp-content/uploads/cf_reader04.jpg

400倍速とは、理論上は60MB/sというスピード。

俺様宅に戻ってから、早速試運転。

アダプタをノートパソコンに突っ込んだところ、デバイスの認識はさくっと完了したので、実際のスピードを試してみるべく500MB程度のファイルをCFカードにコピーしてみたところ...ノートパソコンが固まった?

...いや、固まったのではなくコピーはしているようなのだが、異常に遅い...一体何が原因なのか?

デバイスマネージャを見てみると、別におかしいところはないっぽい。

https://hkjunk0.com/wp-content/uploads/cf_reader07.jpg

いや、普通にIDEのデバイスとして認識されていますが。

んでもって、PCMCIA IDE/ATAPI Controllerのプロパティを見てもこれまた正常かも。

https://hkjunk0.com/wp-content/uploads/cf_reader05.jpg

このデバイスは正常に動作しています...ああそうですかそうですか。

一体何が原因なんだ!と詳細設定を見てみたら...疑問が氷解(^^;)...転送モードがPIOだ!

...ここで俺様はようやく気付いた...アダプタ自体がDMA転送に対応していないということに...。

いくらCFカード自体がUDMAに対応していても、アダプタが対応していなきゃ駄目駄目駄目ぇ。

https://hkjunk0.com/wp-content/uploads/cf_reader06.jpg

ここまで気付かなかった俺様はかなりの間抜けかも。

念のために速度をCDMで計測したら...涙が出るほど遅い...完全に俺様のチョンボかも。

https://hkjunk0.com/wp-content/uploads/cf_reader08.jpg

シーケンシャルリードでも1MB/sに届かない...しくしく。

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CrystalDiskMark 3.0.2 Shizuku Edition (C) 2007-2013 hiyohiyo
Crystal Dew World : http://crystalmark.info/
———————————————————————–
* MB/s = 1,000,000 byte/s [SATA/300 = 300,000,000 byte/s]

Sequential Read : 0.997 MB/s
Sequential Write : 0.981 MB/s
Random Read 512KB : 0.982 MB/s
Random Write 512KB : 0.954 MB/s
Random Read 4KB (QD=1) : 0.844 MB/s [ 206.2 IOPS]
Random Write 4KB (QD=1) : 0.517 MB/s [ 126.1 IOPS]
Random Read 4KB (QD=32) : 0.946 MB/s [ 231.0 IOPS]
Random Write 4KB (QD=32) : 0.579 MB/s [ 141.3 IOPS]

Test : 50 MB [F: 0.0% (0.0/14.9 GB)] (x5)
Date : 2013/05/16 20:34:44
OS : Windows XP Professional SP3 [5.1 Build 2600] (x86)
TS16GCF400+RCFA2A

次善の策

...このままでは全く実用に耐えないのは明らかなので、別の手を考えてみる...考えてみると言っても、別の高速なアダプタを探すことなのだが。

CFアダプタで高速タイプのものは、当然CardBus対応でありかつDMA対応のタイプな訳だが、検索してみるとそれなりに見付かる...但し生産中止になっているやつが結構多いかも。

で、高速タイプのアダプタで一番有名なのはASKAのCF32Fであり、転送速度もダントツっぽいのだが残念ながら製造中止で、オークションにもあまり出ないし、出てもとんでもない値段が付いていたりする。

うーむ、出品されるのを待っている訳にもいかないので、ここは一発海外で探してみっか、とeBayで検索してみたら...怪しいアダプタを発見。

それは、Lexar謹製のCardBus対応高速タイプアダプタであり、以下のような能書きが。

  • Product Description
  • Lexar ‘s 32-bit Card Bus reader is the perfect accessory for mobile professionals.
  • Enables the convenient transfer of images to notebook computers, while providing high-speed data transfer rates similar to FireWire and USB 2.0 readers, 4 to 6 times faster than 16-bit PCMCIA card adaptors.
  • Lexar s 32-bit Card Bus reader offers support for Windows and Macintosh operating systems, extending the solution to Macintosh users for the first time.

うむ、これはDMA対応のアダプタに違いない、と勝手に思い込み早速ポチッと注文。

で、二週間ほど経過し、すっかりアダプタのことなんか忘れていた俺様の元にアダプタが到着。

https://hkjunk0.com/wp-content/uploads/cf_reader09.jpg

香港からはるばる到着したアダプタ。

封筒を開封してみると、中からかなり使用感ありまくりのアダプタが出現...一瞬不安になったのは内緒(^^;)。

気を取り直してアダプタにCFカードを装着し、PCMCIAカードスロットにアダプタを突っ込む...ここでWindowsXPがドライバを要求してきた...予め出品者の商品説明ページに貼られていたリンクから落としといたドライバを突っ込むと無事にドライバを認識してくれた。

https://hkjunk0.com/wp-content/uploads/cf_reader10.jpg

かなりシールが傷んでいる感じ。

https://hkjunk0.com/wp-content/uploads/cf_reader11.jpg

何とかうまくいってもらいたいもんだ。

さて、ここまでは順調に来ているわけだが、肝心の速度はどうなのよ?ということで再度大容量のファイルをコピーしてみる...速い...明らかに前のやつとは違う。

デバイスマネージャで確認してみると、「Lexar 32-bit CardBus Reader」というドライバが仕込まれている。

https://hkjunk0.com/wp-content/uploads/cf_reader12.jpg

Lexarのドライバが標準のドライバと入れ替わっている。

ドライバ自体を確認しても、標準のドライバとどこが違うのかよく分からない...が、「詳細設定」というタブが無くなっている...PIOとかDMAとかとはまた違う転送方式なのか?

https://hkjunk0.com/wp-content/uploads/cf_reader13.jpg

ドライバは正常に動作しているっぽいが、タブが一個消滅している。

ここでディスクドライブのドライバを確認したところ...なんとドライブがSCSIディスクドライブに変身している。

...そうか、このアダプタはCFカードをSCSI扱いで使っているのか...それならそこそこ速いのも納得。

https://hkjunk0.com/wp-content/uploads/cf_reader14.jpg

いつの間にかSCSIドライブに化けていた。

では、ここでまたCDMで速度を計測...段違いに速い...。

俺様の使っているノートパソコンはLet’snoteのCF-T4なので、もっと速いノートパソコンであればもっと速度がでるかも。

https://hkjunk0.com/wp-content/uploads/cf_reader15.jpg

もう、全然使用感が違う...恐るべし、Lexar(^^;)。

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CrystalDiskMark 3.0.2 Shizuku Edition (C) 2007-2013 hiyohiyo
Crystal Dew World : http://crystalmark.info/
———————————————————————–
* MB/s = 1,000,000 byte/s [SATA/300 = 300,000,000 byte/s]

Sequential Read : 7.609 MB/s
Sequential Write : 5.677 MB/s
Random Read 512KB : 7.632 MB/s
Random Write 512KB : 4.994 MB/s
Random Read 4KB (QD=1) : 3.968 MB/s [ 968.7 IOPS]
Random Write 4KB (QD=1) : 0.886 MB/s [ 216.3 IOPS]
Random Read 4KB (QD=32) : 5.625 MB/s [ 1373.4 IOPS]
Random Write 4KB (QD=32) : 1.236 MB/s [ 301.7 IOPS]

Test : 50 MB [F: 0.0% (0.0/14.9 GB)] (x5)
Date : 2013/05/16 20:52:00
OS : Windows XP Professional SP3 [5.1 Build 2600] (x86)
TS16GCF400+Lexar PCMCIA adapter

結果的に何とか実用的な速度を得ることができたので、これを納品することに...良かった良かった(^^;)。

次なる挑戦

ということで、一件落着であり大団円?ということになったのだが、俺様的にはいまいち達成感が無い感じ...確かにASKAの五分の一のお値段でそれなりに高速なアダプタなのだが、逆にASKAがどのような仕組みでハイパフォーマンスを叩き出しているのかが謎だったりする。

いつもの俺様であれば、オークションで大枚はたいてASKAをゲットし色々と実験をするのだろうが、さすがにそう使用頻度が高くないであろうアダプタにそこまで入れ込む気合もない(^^;)。

恐らく、ASKAも同じようにSCSIとか使った仕組なのか?と思った俺様、ASKAのドライバがどんなもんかと試しに落としてみることに。

公開されているASKAのバージョンは2種類あり、最新がCF32Fという型番で、その前のバージョンがCF32Aという型番...あわよくば、ASKAのドライバをそのまま使いまわして高速化を狙えるかも?

まずはLexarのドライバとINFファイルを見てみる。

拡張子がMPDのドライバは、いわゆるミニポートドライバなようで、至って普通のSCSI用のドライバっぽい。

https://hkjunk0.com/wp-content/uploads/cf_reader18.jpg

いずれのファイルも2004年製...もう10年近くも前の話だ。

INFファイルも、特段変わったところはない...と思ったら、最初のコメント行に「CF32A」という表記が(^^;)...怪しい、すっげぇ怪しい。

; CF32L.INF — This file contains descriptions of CF32A the
; CardBus SCSI Host adapters supported in Windows95,98 and 2000
;for LEXAR 32-bit CardBus Reader

中略

;_______________________________________________
[DestinationDirs]
DefaultDestDir = 12 ; DIRID_DRIVERS

; Table of Contents
[Manufacturer]
%LEXAR%=LEXAR

[LEXAR]
%WB_DuoATA.DeviceDesc%= DuoATA_Inst ,PCIVEN_1145&DEV_F021

;===============================================

後略

で、まず最速のCF32Fのドライバを落として解凍してINFファイルとかを確認してみたのだが、全然Lexarのやつとは違っている...このまま流用はできないっぽい...残念。

次にCF32Aのドライバを落として同じように見てみたら...驚愕の事実が(^^;)。

まず、ドライバのファイルが何となく似ている...ファイルサイズが異なっているが、作成日がこちらの方が新しいのでそんなもんか?

https://hkjunk0.com/wp-content/uploads/cf_reader19.jpg

ミニポートドライバとSYSファイルがあるのは同じだ。

更にINFファイルを見てみたら...。

; CF32AX.INF — This file contains descriptions of CF32A the
; CardBus SCSI Host adapters supported in Windows95,98 and 2000,XP,Vista
;

中略
;_______________________________________________
[DestinationDirs]
DefaultDestDir = 12 ; DIRID_DRIVERS

; Table of Contents
[Manufacturer]
%ASKA%=ASKA

[ASKA]
%WB_DuoATA.DeviceDesc%= DuoATA_Inst ,PCIVEN_1145&DEV_F021

;===============================================
後略

...もろ同じだ(^^;)...このLexarのカードと、ASKAのCF32Aは兄弟だということが判明

であれば、CF32Aのドライバファイルをリネームして使えるかも?

最終確認

ということで、CF32AのドライバファイルをLexarのそれにリネームして突っ込んでみることに。

と、その前に再度Lexarの実力を測定...今回は手持ちのCFカードを使ってみた。

ハギワラシスコム謹製だが、実は東芝のOEMのカード。

https://hkjunk0.com/wp-content/uploads/cf_reader16.jpg

その昔、シンクライアントPCに使われていたカード。

まずは、ノーマルというかLexarオリジナルのドライバの状態でスピードを計測...16ビットPIOカードより爆速なのはお約束。

https://hkjunk0.com/wp-content/uploads/cf_reader17.jpg

これでもまぁ十分速いわけだが。

次に、CF32Aのドライバファイルをリネームしたやつを突っ込んでスピードを計測...ちなみに、ファイル名をリネームしただけで何の問題もなくドライバがインストールできた...良い子は真似しないように。

https://hkjunk0.com/wp-content/uploads/cf_reader20.jpg

CF32Aのドライバを流用してスピードを計測した結果。

うむ、確かに速くなっている...ドライバが新しいだけ改良がされているのか?よく分からないけど。

ということで、駄目元で挑戦したドライバの入替は大成功!そしてこれで一層Lexarカードのコストパフォーマンスは上昇!これなら日常の使用に十分耐えられるのは言うまでもないかも。

もしLexarのカードをゲットしたら、そのままで使わないで是非ともドライバの入替をやって欲しいと切に思う俺様でしたとさ。