PC-98As2のハードディスクの引越しに挑戦!!
舞い降りた悲劇
たまにはPC-98のピポ音でも聞こうかなと、久し振りにAs2の電源を投入。
「ピポッ」と、爽やかな起動音とともにメモリカウントが終わり、起動メニューでMS-DOSを選択。
と、ここまでは良かった。
...MS-DOSの起動が異常に遅い...いつもはあっちゅう間に立ち上がるはずなのに。
何となく胸騒ぎがしたので、やっとこさ立ち上がったMS-DOSのプロンプトからSCANDISKを実行。
...すげぇ!!不良クラスタが異常発生している(^^;)。思わずへらへらと笑ってしまった。
これほど酷いのを見るのは初めてかも。
ハードディスク交換における考察
データのバックアップは以前取っておいたので、ハードディスクの引越しを決めたが、ここにきてAs2はオールSCSI化していることを思い出した。で、引越し対象のハードディスクはいわゆるSCSI籠に入っている。
- いまどき、ナロータイプ(Ultra SCSI 50pin)のSCSIハードディスクなんか新品であるわっきゃない
- 今使っているSCSIボードであるMDC-926Rsで使えるハードディスクの上限は8GBであり、最近の大容量のハードディスクは使えない
- しかし、Windows95(OSR2)=FAT32を使うのであれば、是非とも大容量のハードディスクを使いたいところ
...何か良い解決策はないものかと色々と調べた結果、IDEのハードディスクをSCSIのハードディスクに変換してくれるアダプタを発見。これならば、大容量のハードディスクを安価に調達できるかも。
ということで、ハードディスクの容量の制限をクリアするために、SCSIボードの交換をすることにした。現在PC-98のCバス用SCSIボードで、8GB以上のハードディスクを使えるのは以下のとおり。詳細は第三研究所で。
- メルコのIFC-NN(BIOS Ver 1.10以上)
- LogitecのLHA-301A(BIOS Ver 1.07以上)
で、手持ちのCバスを漁ってみた結果、IFC-NNを発見。らっきー。但しBIOSのバージョンが1.06なので、1.10にアップデートする必要がある。
最終的に、以下の手順で引越しを行なうことに。
- SCSI籠からハードディスクを取り出す
- IDEのハードディスクと、SCSI変換アダプタを合体させてSCSI籠に取り付ける
- IFC-NNを取り付け、BIOSのアップデートを行なう
- ハードディスクの領域確保およびフォーマットを行なう。20GBのハードディスクを使う予定なので、MS-DOS用の領域(2GB)と、Windows95用の領域(18GB)の2つの領域を確保し初期化
- Windows95をクリーンインストールし、ネットワーク接続ができたらバックアップしていたデータを書き戻す
それでは、いざ実行!!...と、その前にIDE-SCSI変換アダプタを買わなくてはならない(^^;)。
検討の結果、IDE-SCSI変換アダプタは、評判の良い「CHB35INT2」を通販で購入することに。このアダプタはいわゆるOLD Mac使いに特に評判が良いようで。OLD Macも基本的なインターフェースはSCSIであり、ユーザーは同じ悩みを抱えているっぽい。
SCSI変換アダプタの取り付け
では、最初にSCSI籠に内蔵されているハードディスクの交換。
まずはAs2のフロントカバーを取り外し、SCSI籠固定用のネジを1つ外してSCSI籠を引っこ抜く。
SCSI籠を分解するのはとっても簡単であり、ネジを外していくだけ。
ハードディスクを取り外すときに気を付けたいのが、SCSI-ID選択用のスイッチ(+ケーブル)とアクセスランプ用のケーブル。今回はどちらも使わないので全部取り外すことにした。
下の画像が、IDE-SCSI変換アダプタ。しかしこのメーカーの製品のネーミングは、いつもイカしている(^^;)。
IDE-SCSI変換アダプタへのIDEハードディスクの取り付けは、まずアダプタのケーブルとIDEハードディスクのコネクタを接続することから始まる。
次に、ケーブルを折りたたむようにしてアダプタにIDEハードディスクを固定する。でもって、アダプタの電源コネクタを接続する。
あとは、SCSI籠にハードディスクを取り付けして、ガワを元に戻しておしまい。
IFC-NNのBIOSアップデート
お次は、SCSIボードであるIFC-NNのBIOSのアップデート作業。必要なのは、フロッピーディスクが1枚。
バッファローのページから、BIOSアップデート用のファイルをダウンロードして実行してやると、いくつかのファイルが解凍される。
あらかじめMS-DOS起動用として初期化したフロッピーディスクに、それらのファイルをコピーしてやり、そのフロッピーディスクをAs2に入れて起動する。
あとは自動的にBIOSアップデートが進む。IFC-NNのロットによっては、アップデートできずにそのまま死んでしまう個体もあるようだが、俺様のIFC-NNは日頃の行ないのせいか、正常にBIOSの書き換えが終了した。
もし書き換えに失敗して死んでしまったら、バッファローに送って修理してもらうことになる。
試しに、As2の電源を切り、再度電源を入れてみると...ばっちりとBIOSのバージョンが上がっている。
ハードディスクの初期化
これで、ハード的なお膳立ては揃った。あとはハードディスクを初期化してソフトのインストールをするだけだが、実は初期化が一番厄介だったりする。
MS-DOS用の領域確保は、普通にフロッピーディスクからMS-DOSを起動して「format /h」をやって確保するだけ。FAT16ということもあり、最大でも2GBしか領域を確保できないが特に問題なく進められるはず。
問題は、Windows95用の領域確保だったりする。Windows95に付属のFormatコマンドは、8GB以上のハードディスクの初期化がまともにできない。最後に必ずエラーが出てしまう。
ということは、今回仕使用する予定の18GBが丸々使えない?...ということはなくて、そこらへんは神がきちんとソフトを授けてくれたりする(^^;)。
今回使ったのは、まりもさん謹製のFORMAT代替プログラム「FORMATX」。FDISKにて領域を確保した直後にこいつを実行してやれば、8GB超のハードディスクでも難なく初期化してくれる。感謝感謝 → すいませんが現在リンク切れです。
あとは、Windows95をクリーンインストールして、ネットワークが開通したらバックアップを取っていたデータを書き戻すだけ。
こう書くと非常に楽勝っぽい雰囲気があるが、実はここまでくるのに試行錯誤の連続で、非常に時間が掛かった。ま、頭の体操みたいなもんでたまにはいいかも知れないけど。
ということで、As2のSCSIハードディスク引越しと大容量化の2つのミッション完了。容量を気にせず、どしどしとソフトがインストールできるなんて、とっても幸せ(^^;)。あ、速度もかなり速くなったので一石三鳥って感じ?