ONKYO謹製のパワードモニターを修理してみよう!!
毎度毎度の...
例によって、週末のハードオフ巡回をしていた俺様、上子町店のジャンクコーナーで見慣れないスピーカーを発見した。
どうやら、ONKYO謹製の「GX-77M」というやつらしい。
ジャンク扱いというからには何か訳ありなんだろうと、ジャンク品のチェックコーナーに持っていってテストをしてみたら、やはりというか全く電源が入らない状態。
ここで一瞬心が折れそうになったが、未使用と言ってもいいくらい状態が良く、最悪でも部品取りに使えるのではないかという淡い期待を抱いてゲットしてみた...お値段は1,050円(税込み)。
外観とかスペックとか
で、早速俺様宅に持ち帰って色々とチェック開始。
本来はPC用のスピーカーらしいが、かなり大柄なボディでありPCの横に置くにはそれなりのスペースが必要かも。
主要なスペックは以下のとおり。
2003年12月発売であり、定価も26,250円(ペア税込み)というかなり本格的なPC用スピーカーっぽい。
項目 | スペック |
---|---|
形式 | アンプ内蔵2ウェイバスレフ型 |
定格 | インピーダンス Rch:30kΩ(入力インピーダンス)、Lch:4Ω |
最大出力 | 15W+15W(4Ω) |
定格周波数範囲 | 40Hz~100kHz |
クロスオーバー周波数 | 7kHz |
使用スピーカー | ウーファー:10cm A-OMFダイヤフラム ツィーター:2cm バランスドーム |
キャビネット内容積 | 3.6 リットル |
入出力端子 | デジタル入力×1(光) アナログ入力×2(RCAステレオ/金メッキ) サブウーファー出力×1(RCAモノラル/金メッキ) ヘッドフォン出力×1(φ3.5mm/ステレオ/金メッキ) |
デジタルIN サンプリング周波数 | 24bit/32、44.1、48、96、192kHz対応 |
外形寸法 | Rch:137W×229H×196Dmm Lch:137W×229H×191Dmm (いずれもサランネット、ターミナル突起部含む) |
質量 | Rch:3.9kg、Lch:2.8kg |
その他 | 防磁設計(JEITA) |
ユニットは2ウェイだが、いわゆる同軸型スピーカーであり高域はなんと100kHzまで再生するそうな。
エンクロージャはバスレフだが、どこにダクトがあるのか良く分からない...と思ったら、スピーカーの両端にあるスリットっぽいやつがダクトだそうな...単なるデザイン目的のスリットかと思った。
結局外観は全く問題というか不具合がなさそうなんで、やはり問題は内部にあるっぽい。
分解と内部構造
それでは、早速分解開始。
まずは本体である右のスピーカーから...ネジ(木ネジ)が長短合わせて26本もある...全部取り外すだけで非常に疲れた(^^;)。
で、ネジを取り外すと内部へのアクセスが可能となるが、少しだけ開けてみて気付いたことは、
- 電源およびパワーアンプの基板が背面の板にくっついていて、本体側の基板とたった一つのコネクタで接続されている
- パワーアンプとスピーカーは別のコネクタで接続されている
- かなり狭いスペースにぎっしりと基板やら部品やら配置されている
...こりゃ元に戻すのが結構厄介かも。
やっとのことで電源およびパワーアンプの基板を分離し、まずは電源のチェックから。
電源内蔵型の機器で電源が入らないという場合、真っ先に疑うのはヒューズだったりするんでヒューズのチェックをしてみたが...「きれてなーい」...残念。根はもっと深いかも。
色々とテスターで電圧とか当たってみたが、電源自体は正常に動作しているっぽい。
次はパワーアンプのチェック。
外観は全然問題がないように見える...コンデンサも膨らんでいないし。
ところで、このスピーカーに使われているパワーアンプ用のICだが、ナショセミの「LM1876」というオーディオパワーアンプだったりする。
- 出力20W×2
- SPiKe保護
- 少ない外付け部品
- 静かなフェードイン/ フェードアウトのミュート機能
- 省電力スタンバイ・モード
- フルモールド15ピンTO-220 パッケージ
- 広電源電圧範囲 20V ~ 64V
少ない外付け部品で動作し、ミニコンポにも割と使われているようでかなり高性能かも。
...結局、電源とパワーアンプにも問題はないようなんで、次はメイン基板のチェックに取り掛かることに。
と、その前にスピーカーを確認してみると、
- ONKYO製で型番は「CX1026A」
- マレーシア製
- インピーダンスは4Ω
- 入力は15Wとある
型番がCXとあるので何となく同軸型(コアキシャル)のスピーカーであることが分かるが、口径に比べてかなりマグネットのサイズがでかく、良い音がしそうな雰囲気がありありだったりする。
ところでメイン基板のチェックということは、やっぱりテスターで色々とチェックをする必要があり、メイン基板を取り外さなければならない。
これがまた大変だった...どんだけ頑丈に固定しているんだ>ONKYOさん。
やっとの思いでメイン基板を取り外し、電源を接続しながらあちこちテスターで当たってみる。
メイン基板では、オーディオ回路用にプラスマイナスそれぞれ15Vの電圧を使っているようで、お馴染みの3端子レギュレータICである「7815」及び「7915」が使われている。
ここで正常に電圧が出ているかどうか確認してみた。
マイナス15Vの方は正常に出ていることを確認したが、プラス15Vの方は...おかしい...あきらかに。
本来であれば15Vが出ているはずだが、1.5Vしか出ていない...こりゃ、「7815」がいかれているのか?
さっさと対策
当然ここで15Vが出ていないと、まともに動く訳がないので、試しに交換してみることにした。
取り敢えずは「7815」のみ交換ということで、お馴染みの共立エレショップでさくっと注文...部品が63円(税込み)で、送料(定形外郵便)が120円なのはいまいち釈然としないが仕方がないということで。
ということで、早速交換。
交換自体はさくっと完了したが、放熱用のシリコングリスがべったりと手に付いてしまい、困ったのは内緒。
運命の一瞬
果たしてレギュレータICの交換だけで直るかどうか、ちと不安だったけど組立て直しをすることにした。
が、ここで問題発生...背面の電源およびパワーアンプの基板をどうしても元に戻せない。
メイン基板と電源およびパワーアンプの基板は、たった一個の白くて細長いコネクタで接続されているのだが、これがうまくはまらない、ということは当然電源も入らず動作しない。
かなり時間が掛かったが、最終的にうまくはめることができたっぽいのでそのまま全ての木ネジを一気に締めていよいよ電源を投入してみることに。
主電源(?)は、背面にあるいわゆるロッカースイッチだが、このスイッチをオンにしたときに前面パネルにあるLEDが赤く点灯するはず。
では、スイッチオン...点いた(^^;)。すっげー嬉しくなってしまい、舞を踊りたくなった俺様だが、ここで喜ぶにはまだ早かったりする。
次に前面にあるボリューム兼電源スイッチを回して、きちんと電源が入るかどうか確認する必要がある。
それでは、回しますよ...カチッと音がして、LEDが緑に点灯した、ということは正常に電源が入ったことになる。
ここまできたら、あとは実際に鳴らしてみるだけだ!!ということで、左側のスピーカーを接続し、手持ちのネットワークウォークマンを接続して再生してみる...曲は、BOSTONの「More Than A Feeling」で。
...良い音だ(^^;)。わずか一言で終了してしまったが、非常にクリアなサウンドを聞かせてくれる。
バスレフがまともに効いていないのか、正直低音は物足りないけどタイトであり高域は非常に伸びている感じ。
ボリュームとかトーンコントロールも正常に動作しているようで、結局レギュレータICの故障が原因という落ちがついた。
しかしじっくり聞いていると、何となく全体的に音が篭もりがちなような気がしてきた。
ま、ウォークマンの出力を直接ラインに入力しており仕方がないということで、ここは一発光デジタル入力で聞いてみたいという欲求が増大しまくり、早速Amazonで光デジタルケーブルをポチッとした。
翌日到着したケーブルを、2階にあるONKYO CR-185IIの光デジタル出力に接続して聞いてみた。
...実にクリアなサウンドであり、やはりお値段がそれなりに高いだけはあるといった感じ。
ということで、原価1,050円(税込み)+部品代183円(税込み)の計1,233円(税込み)+多大な労力(^^;)で見事に復活した「GX-77M」、部品取りでバラバラにされず非常にラッキーなやつだったかも。
俺様も格安で非常に高性能なパワードモニターをゲットすることができ、ラッキーなのはお互い様だったりする。
これだからジャンク漁りはやめられまへんな~。