長岡御大の書籍を棚卸してみよう!!

長岡御大と俺様

その昔、俺様が中学生だった頃...当時マイコン少年だった俺様は、かなりの頻度で市内にある電気屋(電巧堂)に通い詰めて、その当時最新鋭だったSHARPのMZ-80とかNECのPC-8001とかをいじりまくっていた訳だが、もうひとつハマったものが。

それは、オーディオだったりする...俺様の兄貴が当時としては最新鋭のテクニクスのシステムコンポ(以下シスコン)を親父に買ってもらい、LPレコードとかカセットテープを聴きまくっていたのだが、こっそりと俺様もそのシスコンをいじりまくっていた...勿論バレバレなのだが(^^;)。

で、ただ聴くだけでは飽き足らずに、ゴミ捨て場に置かれていたラジカセとかを分解し、スピーカーを取り出して段ボール箱で作成したエンクロージャに取り付けて一人悦に入っていた。

そんな時、本屋で見つけたのが当時は分厚かった「Stereo誌」...小遣いもろくになかったので立ち読みしていたところ、面白い記事を書くおっさんを発見...それが長岡御大との出会いだったりする。

痛快な切り口でばっさばっさとオーディオ機器やレコードを評論する御大にすっかり惚れ込んでしまった俺様、やはりというかお約束の長岡教に入信するのも時間の問題だったかも。

それからもう30年以上も経っているが、相変わらず洗脳が解けない状態(^^;)...たまに御大の著作を読んでは一人でにやにやしていたりする...ということで、俺様が大切にしている御大の著作を年代別に大公開したい。

1970年代の著作

...あんまり持ってない(^^;)...つうか、70年代なんて俺様が小学生の頃であり、まだまだ世間知らずだったから?

  • オーディオ日曜大工(1975年2月) → 「日曜大工」なんつうのは既に死語となっているが、大昔は週末にオーディオ工作とかをやっていた? オーディオ日曜大工の基礎知識として、工具とか材料とかの説明からスタートで、スピーカー工作の実例として平面バッフル・広指向性スピーカー・音場スピーカー・密閉型スピーカー・バスレフ・ドロンコーン・バックロードとほぼ全ての形式を網羅。その他はプレーヤー、ラックまで製作方法を開陳している
  • 続・オーディオ日曜大工(1976年4月) → オーディオ日曜大工の補巻として出ているが、内容はスピーカーが鳴る原理とかエンクロージャの設計方法とかの解説がメイン

https://hkjunk0.com/wp-content/uploads/197502.jpg

オーディオ日曜大工

https://hkjunk0.com/wp-content/uploads/197604.jpg

(補巻)続・オーディオ日曜大工

1980年代の著作

この頃は高校生~大学生のあたりであり、穴が開くほど読みまくり、妄想に耽りまくった記憶がある(^^;)

  • 長岡鉄男のオリジナル・スピーカー工作45(1980年10月) → ここいらへんがスピーカー工作者としての長岡鉄男の最初のピークかも。まだスワンはこの世に誕生していないが、マトリックススピーカーMX-1とその派生形であるMX-2やMX-3が出てきている。 中にあるコーラルの広告が妙に懐かしい(^^;)
  • 長岡鉄男傑作スピーカー30図面集(1984年1月) → stereoのおまけの図面集だが、内容はかなり高密度であり一つ一つのネタが楽しいことこの上なし(^^;)
  • 長岡鉄男の最新オリジナルスピーカー工作20(1986年7月) → 「最新オリジナル」という触れ込みであり、バックロードホーンとしてはD-164のみであり、あとは本格的小型ブックシェルフから大型フロア型が14機種、そしてAV対応スピーカーが5機種。とにかく様々な種類のスピーカーが目白押しだが、俺様的にはやはりバックロードホーンの記事が多い方が嬉しいかも(^^;)

https://hkjunk0.com/wp-content/uploads/198010.jpg

オリジナル・スピーカー工作45

https://hkjunk0.com/wp-content/uploads/198401.jpg

傑作スピーカー30図面集

https://hkjunk0.com/wp-content/uploads/198607.jpg

最新オリジナルスピーカー工作20

  • 長岡鉄男のスピーカー工作全図面集(1987年6月) → それまで純粋な全図面集なるものが出ていなかったのが却って不思議な感じだが、155機種もの設計図がタイプ順、ナンバー順に集まっているというお宝本。説明というか解説は付いておらず、読者の想像力が頼りだがまたそれが楽しいかも(^^;)
  • 長岡鉄男 最新スピーカークラフト① スワンaとその仲間(1988年12月) → 最新オリジナルスピーカー工作20の姉妹編ということで企画されており、全図面集に入っているスピーカー+全図面集以後に設計製作されたニューモデルを中心に20機種程度にまとめた本。タイトルが「スワンaとその仲間」なのだが、その系統のスピーカーはクレーンとかコブラとかレアとかであり、普通にブックシェルフとか壁掛け型スピーカーとか色々な種類のスピーカーが掲載されている
  • 長岡鉄男のスーパーAV~ホームシアターをつくる(1988年7月) → 長岡鉄男と言えばスピーカー工作だけではなく、ホームシアターである「方舟」も忘れてはならないかも。その方舟が完成するまでの日記みたいなものだが、なんつうか本人の信念が溢れていてここまでやるかぁ?とビビってしまうくらいの内容かも(^^;)

https://hkjunk0.com/wp-content/uploads/198706.jpg

長岡鉄男のスピーカー工作全図面集

https://hkjunk0.com/wp-content/uploads/198807.jpg

長岡鉄男のスーパーAV

https://hkjunk0.com/wp-content/uploads/198812.jpg

スワンaとその仲間

1990年代の著作

この頃は社会人になっちまっていて、あんまりスピーカー工作に熱中するゆとりは無くなってきていたのだが、相変わらず本は購入して妄想に耽っていた感じ

  • 長岡鉄男のオリジナル・スピーカー設計術 こんなスピーカー見たことない(1996年10月) → スピーカーシステム設計の教科書を目指して書かれた本。オリジナルスピーカー製作の基礎知識からオリジナルスピーカー製作の実践と設計の実際、またオリジナルスピーカー造りなんでもQ&A、そして最後に長岡鉄男のオリジナルスピーカー全リストとてんこ盛りの内容。特になんでもQ&A(ステレオ誌)の読者との丁々発止の遣り取りは笑える(^^;)
  • 長岡鉄男 最新スピーカークラフト③ バックロードの傑作(1992年12月) → これまたタイトルに「バックロードの傑作」とあるが、バックロードはD-55、D-77、D-101S、D-101、D-127AVの5機種のみであり、あとはフロア型とかマトリックスとか様々なスピーカーのオンパレードで計21機種
  • 長岡鉄男のスピーカー工作全図面集②(1991年7月) → 好評を博した全図面集の続編であり、今度は98機種ものスピーカーが掲載されており、ここでやっとスワンaの図面が登場

https://hkjunk0.com/wp-content/uploads/199107.jpg

長岡鉄男のスピーカー工作全図面集②

https://hkjunk0.com/wp-content/uploads/199212.jpg

バックロードの傑作

https://hkjunk0.com/wp-content/uploads/199610.jpg

オリジナル・スピーカー設計術

  • 長岡鉄男のわけのわかるオーディオ(1999年11月) → STEREOの連載「わけのわかるオーディオ」をまとめた本。初版が1999年末であるが、内容的には今読んでも全く遜色がない感じ
  • 観音力~長岡鉄男編集長の本(1999年4月) → 貝山先生との対談から始まるこの本は、とにかく内容が多岐に渡っており、読んでいて非常に楽しいかも。「読者が選ぶ長岡スピーカーBEST10」というランキングもあり、1位はやはり、というべきかスーパースワンでありその後D-55とかモアイとかお約束のように分かりやすいかも(^^;)
  • 長岡鉄男のオリジナル・スピーカー設計術② こんなスピーカー見たことない 図面集編(1997年10月) → この本は全図面集の第三弾という位置付けでもあり、「こんなスピーカー見たことない」の続編でもある。 本のサイズがB5ムック版となり、前の図面集に比べて見やすくなっているし、スペアナの写真も付いていたりと親切になっているかも

https://hkjunk0.com/wp-content/uploads/199710.jpg

オリジナル・スピーカー設計術②図面集編

https://hkjunk0.com/wp-content/uploads/199904.jpg

観音力 長岡鉄男編集長の本

https://hkjunk0.com/wp-content/uploads/199911.jpg

長岡鉄男のわけのわかるオーディオ

2000年代の著作

2000年5月、あまりにも突然のお別れとなってしまい、かなりのショックを受けた記憶が...まだ方舟にも行っていなかったし、御大本人を見たのも数回しかなかった俺様...非常に残念。

  • 長岡鉄男のオリジナル・スピーカー設計術③ こんなスピーカー見たことない 図面集編Ⅱ(2001年3月) → またまた図面集ということで、今回は第四弾?体裁というかコンセプトとしては「オリジナル・スピーカー設計術②」と全く同じであり、比較的親切な図面集であることには変わりがない
  • 開拓者 長岡鉄男(2001年4月) → FMfan特別編集ということで、ムック形式で発売されたもの。 1985年から1999年まで長期連載されたFMfan「ダイナミックテスト」の「ダイナミック大賞」とか部門賞に選定された名機がずらずらと紹介されている。あとソフトウェアのレビューとかスワンの最初の製作記事とか、貴重な記事が満載。極め付けはメモリアルCDであり、フォステクスのセミナーとか富士総合火力演習とかはてまた結婚式スピーチとか怪しい音源が楽しい(^^;)
  • 追悼 長岡鉄男 観音力アンソロジー(2001年5月) → 表紙にある「オーディオ・音楽・趣味・人生の足跡をたどる著作集」というのが一言で表現しているとおり、50年代から晩年までの50年近くに亘る著作をてんこ盛りに掲載している。本当に多彩な趣味を持っているおっさんだ(^^;)

https://hkjunk0.com/wp-content/uploads/200103.jpg

オリジナル・スピーカー設計術③図面集編Ⅱ

https://hkjunk0.com/wp-content/uploads/200104.jpg

開拓者 長岡鉄男

https://hkjunk0.com/wp-content/uploads/200105-1.jpg

長岡鉄男 観音力 アンソロジー

  • 不思議の国の長岡鉄男①(2001年5月) → こちらは季刊オーディオアクセサリーの特別増刊。元ネタがオーディオアクセサリー誌なので、アクセサリー関連の記事が多いが、スピーカー工作の記事も充実している
  • 長岡鉄男 ホームシアターのすべて(2001年7月) → こちらは季刊ホームシアターファイルの特別増刊。ホームシアター構築のネタが満載で、方舟の構築とかマトリックススピーカーの記事が充実している
  • 長岡鉄男のオリジナル・スピーカー設計術④ こんなスピーカー見たことない 図面集編Ⅲ(2002年1月) → どこまで出るんだ!と叫びたくなるような感じの図面集編の第三弾。ここで初めてスワン一族が登場する

https://hkjunk0.com/wp-content/uploads/200105-2.jpg

不思議の国の長岡鉄男①

https://hkjunk0.com/wp-content/uploads/200107.jpg

ホームシアターのすべて

https://hkjunk0.com/wp-content/uploads/200201.jpg

オリジナル・スピーカー設計術④図面集編Ⅲ

  • 不思議の国の長岡鉄男②(2002年6月) → これまたアクセサリー関連のネタが多いのだが、「ミニ方舟プロジェクト」と称して「ネッシーJr.ES」と「ネッシーMini」(炭山氏作)の作成記事があり、面白い
  • 長岡鉄男のオリジナル・スピーカー設計術⑤ こんなスピーカー見たことない 製作実践編(2003年10月) → この本は今までと違って、未製作のままになっていたスピーカーとかユニットがモデルチェンジされたやつを実際に作ってみた、という記事が大半を占めている。実際の試聴記もあり、非常に分かりやすいかも
  • 世界でただひとつ自分だけの手作りスピーカーをつくる(2004年9月) → 予備知識ゼロでもスピーカーが作れる!ということから始まるスピーカー設計・製作教科書。ブックシェルフ型とかフロア型中心のオリジナル30作品図面集が掲載されているが、F-170のような大型3ウェイのスピーカーは初心者にはちょっとどうよ?という感じ(^^;)

https://hkjunk0.com/wp-content/uploads/200206.jpg

不思議の国の長岡鉄男②

https://hkjunk0.com/wp-content/uploads/200310.jpg

オリジナル・スピーカー設計術⑤製作実践編

https://hkjunk0.com/wp-content/uploads/200409.jpg

自分だけの手作りスピーカーをつくる

...とにかく膨大な著作かも(^^;)...しかし何度読んでも新しい発見があり、全然飽きないのは何故?

これからも俺様の人生の師であり続けてください>長岡御大。