地底神殿を探検してみよう!!
知られざる地底の建造物
埼玉県のある地域に地底神殿が存在しているという噂があるのだが、都市伝説とかではなくマジな話っぽい。
以前からその話に非常に興味があった俺様、実際に行ってみることにした。
地底神殿の正式名称は「首都圏外郭放水路」であり、管轄は国交省の江戸川河川事務所だったりする。
要するに、洪水時に地域の中小河川から溢れた水を地下に取り込み、大きな川に排水してやるという施設。
- 埼玉県春日部市の一部地域は、いわゆる低地であり昔から大雨による洪水に悩まされていた
- 洪水を阻止するために、地下放水路の建設が平成4年から平成18年まで行なわれた
- 結果、国道16号線の地下約50mに延長6.3kmの地下放水路が完成し、年に何回か稼動中
...よく分からないので、見学会に参加してみることに。
見学会はインターネットで申し込みができるのだが、基本的に平日しか開催されておらず、特に夏休みの時期は自由研究とかの絡みで非常に予約が取りづらい状況だったりする。
次男坊の自由研究を手助けするという口実でちゃっかり予約を入れてみた俺様、一日3回ある見学会の最終回(15:00からの回)を予約できた...金曜日なので会社は半休半休(^^;)。
しんちゃんのいる春日部へ
春日部市といえばクレヨンしんちゃんが連想されるのだが、正直行ったことがない俺様。
当日カーナビさんに見学会場へのルートを尋ねてみると、やはりというか、16号経由で行くべしというご託宣が...さいたま → 岩槻 → 春日部っつう感じ?
で、奥様&次男坊を引き連れて3人でドライブ開始。
道路はそんなに混んでもいなくて、割りと短時間で集合場所に到着することができた。
周辺をうろちょろ
少々早めに到着したので、施設の周辺をうろちょろしてみることにした。
集合場所は「龍Q館」という施設なのだが、庄和排水機場という施設と一緒になっている...というか排水機場がメインか。
外で目立つのが、「泥水式シールドマシン」というブツ。
実際に放水路を切削、というか掘ったやつのレプリカ?それとも本物?が展示されている。
館内の探検
飽きたので、いよいよ館内に突入。
1階はホールになっており、春日部市民の工芸作品とかが展示されているのだが、2階に上る階段の脇に、「地層タワー」なる展示物がある。
地底神殿を掘った際に、発掘された?地層の断面をそのまま展示しているというもので、大昔の地層やら化石やらが非常に分かりやすく見えている。
1階から2階へと階段を上ると、途中でシールドマシーンの模型とかシールドマシーンの刃とか発掘された貝の化石とかが展示されている。
2階の通路には、今まで地底神殿を訪れたタレントとかの色紙やサインが所狭しと並べられている。
なぜ石ちゃんとかが来ているのかは謎>地底神殿に食いもんはないはずだが。
見学会の前に
集合時間のちょいと前になったので、受付に行き氏名を告げ、同意書と参加証を受け取る。
お約束だが同意書は同意しない限りは見学ができないことになっている。
まだ多少時間があるようなので、制御室とか室内に展示されている模型とかを見て回る。
制御室はいかにもメカニカルな感じで、戦隊物とかウルトラマンとかの撮影でよく使われるというのも納得かも。
模型は外郭放水路で使われているガスタービンとか減速機とかポンプのミニチュアであり、精密そのもの。
見学会の始まり
いよいよ見学会の始まり。参加者が全員集合。
職員のおねーさんがでかい地図を参照しながら外郭放水路の概要を説明してくれる。
そのあとビデオを鑑賞し、制御室を外から見学。
次に屋上に上り、周辺施設の説明。
ここいらへんは高層建築物もないので、天気が良いとかなり遠くまで見渡すことができる。
埼スタも何とか見ることができた。
メインイベント
いよいよ、メインイベントである地底神殿=地下調圧水槽の見学ということで施設から外に出て、調圧水槽の入口へと歩く。
地底神殿との遭遇
入口前で再度見学時の注意を受けてから、いよいよ突入。
何となくじめじめした感じの雰囲気の中、長い階段をゆっくりと降りていく。
階段を降り切ると、今まで見たことの無い光景が飛び込んできた...まさに地底神殿。
そもそも、調圧水槽とはなんなのかというと、
- 地下トンネルから流入してきた洪水の勢いを弱め、スムーズに放出するための巨大プール
- 幅78メートル×高さ25.4メートル×長さ177.1メートルというサッカーグラウンド程の広さ
というものであり、地下水によるアップリフトを防ぐために巨大な柱と天井で上から押さえ込まれている。
ちなみに、この調圧水槽には洪水を導くトンネル+5本の立坑が接続されており、第1立坑が調圧水槽に隣接している。
この立坑も高さ70メートル×内径30メートルの巨大な円筒であり、スペースシャトルがすっぽり入るというサイズ。
柱は59本あり、奥行7メートル×幅2メートル×高さ18メートル、重量は1本当たり500トンという代物...ここまでやらないと地下水によるアップリフトが起こるとは、地下水、侮りがたし。
調圧水槽内は湿気がかなりあり、床面も濡れている...恐らく最近稼動したのではないかと思われる。
本来であれば一面に泥が堆積しているということだが、見学するエリアは綺麗に清掃されており、変なにおいもない。
でもって、外はうだるような暑さなのだが、ひんやりと涼しい空気が漂っている...ずっとここに居たいかも(^^;)。
あと、巨大ではあるが密閉された空間であり、かつコンクリート製なのでかなり音がライブだったりする...ライブとかやったら面白そうだ。
見学時間も終わり、再び地上に戻るとまた暑さが襲ってきた...そのまま龍Q館に戻り、アンケートを書いて参加証を返却して解散。
参加証の中には葉書が入っており、記念品になったりする。
車で帰る途中、16号沿いの第3立坑を発見した。
行きがけには全然気にもしなかったが、改めて見てみると存在感があるなと思った俺様(^^;)。
以上、半日ほどの小さな旅だったが、非常に楽しむことができた。
とにかく「百聞は一見に如かず。」という言葉がこれほど当てはまるのは珍しいかも。
基本的に平日限定だったりするが、機会があれば是非とも。